(続き)
高校に入る春、バイトでサイクリング車を買って行動範囲が広がり、
その店にお礼を言いに行った。小父さんは喜んでくれ、その時を
境に手紙や年賀状のやり取りをする様になった。
高校の文化祭でステージでピアノを演奏した時、小父さんに招待券を
送った。小父さんは店を出れないので、バイトの女の子2人を代理と
して寄越した。バイトの女の子は、小父さんからだと言って、お菓子
を差し出した。却って気を遣わせてしまったと、自分の考えなしを
反省したものだった。

やがて、大学を卒業して社会人になって、転勤で引っ越すどさくさで、
そこの住所を書いたメモを紛失してしまい、音信不通となった。