新婦の頭の中身が不幸だった話。(新婦は自分の従姉)

新婦は時折目元を押さえていたので、「感動してるんだな・・・」と思っていた。
一生に一度のことだし、元々感激しまくるタイプの姉ちゃんだったし。
自分は生意気盛りの高校生男子だったので、若干冷めた視点で、
姉ちゃん、自分の涙で自分で盛り上がっちゃってるんだろーなーと思っていた。

そして、最後に新郎新婦からの挨拶があった。
新郎が当たり障りの無い挨拶をしている横で、感極まって新婦が泣き出した。
と思ったら、いきなり、「これ以上皆さんを騙すことなんてできない!○○さん!」と
新郎の親友の名前を呼んで駆け寄って親友氏に抱きついた。
あっけにとられる新郎と両親族。でも一番あっけに取られていたのが件の親友氏。
「(新郎)さん、ごめんなさい・・・私達…」とさめざめと泣く新婦に、「ハァ?」という顔になって、
「あの・・・(新婦)さん。何なんですか?」と冷静に新婦を押し戻した。
親友氏は既婚者で、新婦が抱きついた時は奥さんが一瞬顔色変えたけど、
親友氏はパニくることもなく、「新婦さん、相手が違いますよ」と新郎の方に押しやった。
それからちょっとざわついていたが、
新婦はそれまでにも奇矯な行動が(主に恋愛がらみで)あったらしく、
皆割りとすぐに納得して、「まあまあ」って感じで新婦をなだめて続行。

後で聞いた話では、新婦は新郎との間のちょっとした相談事を
親友氏を含めた仲間達にしていたらしい。マリッジブルーもあったのかも?
でも相談する時はいつもそのグループ内で、親友氏と一対一で会ったことは一度もないのに、
新婦の中でいつのまにか、「相談している内に恋心が芽生えて…彼を裏切るいけない私」
みたいなドリームが育っていたらしい。
普通ならここで、「そうはいっても何かあったんでは?」と親友氏が疑われても仕方ないのに、
その時は「(新婦)さんだからね・・・」「思い込み激しいから、あの子」で済んでしまったらしい。

もうとっくに離婚している彼女は、
今は不倫して親に縁切られている。