掃除をしやすようにと持ち物を絞っていく過程はとてもエネルギーが要った。
所有し続ける理由を自分に問う、この取捨選択は、
一体自分はどう在りたいのかについて真剣に考える時間だった。

掃除へ整頓が習慣になってくるとあらゆることの「こんなもんでいいだろう」
みたいなのをいきなり意識するようになってきた。
外食の回数を半分にしてでも、心のこもったもてなしを感じられる店を選んだり
粗悪品に手を出すことに抵抗を覚えるようになってきた。
あたかもその物が商品とる過程において作り手から「あんたにはこんなもんでいいだろ」
と、バカにされているような気がするようになったから。

同時に自分の仕事や家事において自分の大切な人に
「こんなもんでいいだろ」なこともしないようにと律する意識が高まった。
気持ちの行き届いた仕事・家・料理・衣服・言動を意識できるようになってきた。

これが私が得た「そうじの持つ力」の本質。
本当に掃除によって人生が変わったと思う。