捨て猫が野生化、野鳥受難…東京・葛西臨海公園

・年間に約150種もの野鳥が飛来し、バードウオッチングの名所にもなっている
 東京・江戸川区の「都立葛西臨海公園」の鳥類園周辺で捨て猫が繁殖、一部が
 野生化して野鳥や巣が襲われる被害が今年に入って目立っている。専門家は
 「夏場はヒナが育つ季節だけに心配」と指摘するが、「野鳥の楽園」に捨てられる
 猫は後を絶たず、公園側も対策に頭を悩ませている。

 今年3月下旬、同公園内で、大けがをしたアオサギが発見された。アオサギは
 体長約90センチと国内最大のサギ。右羽を複雑骨折しており、傷跡などから
 猫に襲われたと推測された。職員が保護したものの、発見の翌日には死んで
 しまった。

 同管理所によると、猫による被害が増え始めたのは2、3年前から。
 ひっかかれたり、かまれた傷跡が羽や体にあるシギやツグミなどの野鳥が、
 年間20―30羽ほど確認されている。特に今年に入り、猫が水際で待ち伏せる
 姿や、巣を襲うなどの被害も目立つようになった。

 捨て猫は5年ほど前から増えたといい、「現在は、100匹近くいる」と指摘する
 職員もいる。同管理所では、捨て猫の数に比例して被害も増加していると
 みている。
 捨て猫に餌を与える目的で来園する人たちもいる。2年ほど前に「餌をあたえ
 ないで」と注意する看板を立てたが、すぐに壊されてしまった。