大西瀧次郎中将は2000万の特攻攻撃を叫ぶワンシーンしかないから
単なる狂ったおっさんにしか見えないが、これも映画の手法というもので
「特攻の真意」が何処にあったのか?を考察しないと実際の評価は下せない

特攻について語るときには
「戦争指導者としての視点」「作戦指導者としての視点」「戦術実施(兵士)としての視点」
は分けて捉えなきゃなるまいし、またそれぞれの中でも是非が真っ二つだし、
何より「特攻を継続していたらどうなったか」は「タラレバの世界」なので結論は出ないと思う

ただ一ついえることは
「特攻は馬鹿げた行為で、特攻戦死者は犬死に・犠牲者」と単純に決めつけることは妥当でない
ということだろう
後世を生きる我々は、あの史実に何らかの意義付けをしなければならないと思う。



映画作品としては
各司令官級の俳優達は今に無い重厚感があってよかった
個人的には森師団長の苦悩と児玉基地司令の苦悩が胸をうった
緊迫したやり取りの中で森師団長が言う「一日本人として明治神宮にぬかづき・・」は
懊悩の中にもちょっと呑気な滑稽感もあり、日本人らしさがよく出てると感じた
高橋悦史の井田中佐はクールでカッコよく、ハマリ役だった
死神博士の怪演はいかにも喜八映画っぽくてよかった

「阿南君は暇乞いに来たんだねぇ」・・・これは泣けた