これだけは抑えておきたい!古典SFスレッド
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0395天文学者
2005/09/29(木) 19:44:12SFしちゃったモルモン教徒、オースン・スコット・カード。
何でもこの人、「物語を通して人のモラルの在り方を語ること」というのがSF
を執筆する動機であるらしい。
そのせいかどうか、読み進むうち度々説教をくらい、やたらと啓蒙されまくる。
本来なら辟易するところだが、これで作品は面白いのだから困ったものだ。
しかし、バリバリのキリスト教徒とノホホン日本人とでは、カードの諸作を読んで
得られる感想がまったく違うのではないかしら、どうかしら?
『ソングマスター』は比較的初期の作品なので、最近の物とは違いあまり説教臭さ
を感じられない。(個人的にはコレだけでもポイント高い)
皇帝のために調整された歌い手が様々な変遷の後、皇帝に取って代わり、そして
夢破れる。結局ソングハウスに戻り、後に続く者に自分の経験を伝えて消える。
冷徹で残酷で、でもどこか優しくてホロリとさせる。
そんなカードの持ち味は、既にこの頃から伺うことが出来る。
加藤直之さんがこの作品について、面白い意見を述べていた。
「ソングマスターの登場人物ってレンズマンで例えると、目指す目標はアリシア
なんだけど、それを達成しようとする手法がエッドールなんですよ」
うむ、素晴らしい。この一言で、見事にこの作品を表している。
やはり加藤さんってSF読み込んでいる絵師さんだなぁ。
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