これだけは抑えておきたい!古典SFスレッド
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0001名無しは無慈悲な夜の女王
NGNG0213天文学者
05/03/16 23:56:27何といってもオルガの公式に尽きる。
『gy=c』、なんと宇宙の好意を表す数式!
その惑星の重力と惑星年をかけた数値が光速度と等しければ、その惑星には知的生命体
が発生するのだという。
いや偶然なのだろうけど、よくこんなことに気がついたものだ。
中学生の頃に読んだのだが、公式の内容を理解できた時には少し呆然としてしまった。
このアイディアで長編を一本書ききってしまう力技に、素直に脱帽。
他にもこの小説では、SF的なガジェットがふんだんに使われている。
死せる海。人工子宮で産み落とされる矮人。鯨のサイボーグ。恒星間播種船。
遺伝子組み換えによる人造人間。人肉の蛋白質としての再利用。水生へと進化した人間。
少し抜けてる機械知性・・・等々。
冷静に考えるとまるで地獄のような最悪の未来予想図なのだが、登場人物たちが揃いも
揃って能天気且つ生命力に溢れているので、読後感はかなりライトである。
希望を感じさせるラストもポイントが高い。
現在は残念ながら絶版。古本屋で見かけたら絶対に保護するべき作品だと思う。
0214吾輩は名無しである
05/03/18 12:27:370215天文学者
05/03/20 22:03:51幼少の頃、小学校の図書室で読んだ忘れられない一作。
ジュブナイル名は『星からきた探偵』だったが、個人的にはそちらの題が好きだなぁ。
クレメントはセンスオブワンダーに溢れたエイリアンを創作するのが上手い作家だが、
この作品にも一風変わった寄生エイリアンが登場する。
しかし、宿主の哺乳動物よりもそれに寄生するアメーバの方が高等な知能を持つという
ことが有り得るのかしら、どうかしら? さりげなく星間航行技術まで取得しているし。
地球近辺まで犯罪者(ホシ)を追ってきた主人公(捕り手)は、揃って地球に墜落して
しまう。何とか脱出できたが、ホシも既に抜け出していた。
一体どこの誰に寄生して隠れているのか?
地球人の協力者(宿主の少年)と論理的に犯人探しをするくだりは、まるで推理小説の
ようで素直に面白い。今読んでも古びていないのは正直凄いことだ。
好評だったようで、続編『一千億の針』も書かれている。
恐らく映画『ヒドゥン』の元ネタになったと思われる。
こちらもB級映画ながら隠れた傑作なので、未見の人はぜひ見てほしい。
0216名無しは無慈悲な夜の女王
2005/03/21(月) 14:06:47ラ・ロシュフコー
0217名無しは無慈悲な夜の女王
2005/03/21(月) 21:08:42『人類皆殺し』の名前って、救いのないSFの代名詞みたいですけど、実際どうなんでしょう?
噂はよく聞くのですが・・・あまり鬱展開だとイヤかなぁって。
0218名無しは無慈悲な夜の女王
2005/03/22(火) 10:16:19発刊された時代背景もあって、暗く陰鬱な内容が多いのは事実。
そういう知識をフィルタにして読むのもいいかと思う。
0219217
2005/03/24(木) 19:49:42なるほど・・・参考になります。そっか、時代かァ。
どーも、ありがとうございました。
入手できた時は、頭に置いて読んでみませう。
0220名無しは無慈悲な夜の女王
2005/03/24(木) 21:46:43何か一点エントリーしてあげたい。
たぶん『夜の翼』あたりが無難な選択だろうかと思うけれど、
個人的な趣味であえて『ガラスの塔』をお勧めしたい。
言うまでもなく表題は「バベルの塔」の神話を踏まえている。
悪意に満ちた哄笑とともにすべてが瓦解してゆくかがごとき
クライマックスはお見事。SF版ドミノ倒しといった趣がある。
0221名無しは無慈悲な夜の女王
2005/03/25(金) 00:57:39古今東西切ってのBEM小説。間違いなくBEMが主人公!
そう言い切ってしまうほど、魅力的な異星生物がズンドコ登場する。
その手の話が好きな人には堪えられないのではないか。私もその一人。
特に“黒い破壊者”ことクァールはあまりにも有名。
腹減ったぁ〜とビーグル号のクルーを殺しまくる様は、さすが破壊者。
しかし、あれだけバンバン人が死んでも航行には影響しないのね。
大きな宇宙船はいいなぁ。冷たい方程式も成立しないだろうし。
BEM一体一体の設定も非常によく練られており、SF者としてはその点も嬉しい。
また出てくるBEMの知能が高く、ビーグル号のクルーとの知能戦(笑)も見所。
ジュブナイルで読んだ幼少時、幼い胸を興奮で揺さぶってくれたものだ。
しかし段々ヴォクトの興味はBEMよりも、作中で創作した総合科学とかいう学問の
方に傾倒していってしまう。
最終話のアナビスに至っては大学の学部内抗争みたいな様相を呈しており、異星生物
の描写なんかそっちのけである。
まぁアナビス自体が、まともに相手するのがちとアレな存在ということもあるけど。
個人的には残念。
ちなみに“緋色の不協和音”イクストルは、かの映画『エイリアン』の元ネタという噂。
強大な戦闘力と獲物の体内に卵を産み付けるという点かしら。確かに似ているなぁ。
0222天文学者
2005/03/25(金) 01:06:06>>217さん。人類皆殺しは破滅SFとしては傑作だと思いますが、物語として傑作か
どうかは微妙かなぁ、と。
登場人物たちは成す術もなく異星人に駆除されてしまうわけですが、その途中で
人間の獣性とか下劣さが露呈されていきますし。
まぁ滅びても仕方ないよなぁ、とも考えちゃうようなこともしているし。
人肉ソーセー○とかいうタームに抵抗があるなら、読まない方がいいかも。
>>220
シルヴァーバーグ作品は、『夜の翼』は読んでるんですけどねぃ。
『ガラスの塔』は未読でした。機会があれば、呼んでみます。
情報ありがとうございますデス。
0223天文学者
2005/03/26(土) 01:41:49映画化されたあまりにも有名すぎる作品。
映画はシリーズ全部で五作も作られている。あちらの人、何でそんなに猿が好きか?
猿が始めて画面に登場するのは人間狩りのシーンなのだが、いや実に恐かった。
下手なホラー映画などより、よほど恐ろしかった記憶がある。
またラストの演出が素晴らしい。衝撃的とはこの映画のためにあるような言葉だ。
映画『猿の惑星』は間違いなく歴史に残る傑作である。一作目だけだけどね。
原作の方もなかなか面白い。
狩った獲物(人間)を前に記念撮影とか、“パブロフの犬”実験を人間でおこなっていた
りとか、野生動物レベルの女性相手に繁殖実験させられるとか、一緒に遭難したクルー
がすっかり変わり果てて動物園に入れられていたりとか、なかなかブラックで残酷かつ
容赦のない描写が続く。
人間を支配される側に回すことで、暗に人間社会や人間の文化を批判するようになって
いる構造は見事だ。この切り口、間違いなく良質のSFである。
長じて知ったのだが、作者のブールは第二次大戦中、インドネシアで日本軍の捕虜にな
ったことがあるらしい・・・って、これ黄禍論SFだったのかよ! orz
しかしその経験から『猿の惑星』と『戦場にかける橋』の傑作二作を生み出しているの
だから、転んでも只では起きない人だ。さすが、おフランス人ざます。
最近一作目が映画リメイクされたが、旧作には及ばなかったようで。
ラストが『猿の軍団』になるのは思わず笑ってしまった(違うっ)。
0224名無しは無慈悲な夜の女王
2005/03/26(土) 04:52:510225名無しは無慈悲な夜の女王
2005/03/26(土) 12:16:02これが生じたので文学はかなり狭い領域に追い込まれた。
だって解決しちゃうんですから。苦悩とかが。
この場合にどっちをとるかというのは迷うべき問題。
例えば江藤淳の自殺にしても精神科医と文学者が対談すると対立する。
精神科医は「あれはプロザック飲ませてればよかったんだよ」というし、
それは死者の尊厳に関わる問題になっちゃうんで、終わらないんですよ、論争が。
どっちをとるかというのは悩むところで、精神の多様性を維持する意味では
そういった文学性といったものの価値はまだまだ廃れていないと思う一方で、
じゃあその為に死んでもいいのかというと、やっぱり死ぬのはまずいだろと
いわざる得ないところがある。死ぬ代わりにプロザック飲みましょうと。
これは引き裂かれている、一番極端な部分では本当に判断できない問題である
といってもいいと思いますね。
0226天文学者
2005/03/27(日) 22:18:57墜落した宇宙船には、人類にとって恐るべき病原体が付着していた。
文字通り降って沸いた世界の危機に、人類の打つべき手は?・・・
斬新な宇宙伝染病のアイディア、加えて出版されたのがアポロ11号の打ち上げ直前。
絶対に狙っていたよなぁ。狙い通りというか、まぁヒット作品となった。
SFというより、まるで硬いノンフィクションでも読まされているような気になる。
ここら辺は医者でもあるクライトンの独擅場だ。
『ホットゾーン』みたいなノンフィクションが好きな人にはお勧めかもしれない。
しかしラストの解決方法が、何と言うか、実にご都合主義。
結局人類は何もしていないのに、すべてが無事に解決しちゃうのだ。
これはいくらなんでもいかがなものか? と思えて仕方がなかった。
映画化もされたが、個人的にはそちらの方がかなり面白かった。
病原体で滅びた町の中を行く防護服姿の男たち。
死体の手を持ち上げて切ると、傷口から溢れたのは血ではなく赤い砂だった・・・。
ショッキング度はかなりなものであった。イメージの勝利だよなぁ。
レンタルビデオ店で見つけたら、一見の価値はあろうかと思う。
0227名無しは無慈悲な夜の女王
2005/03/28(月) 00:16:08『猿の惑星』・・・思い出した。
誰だっDVDの表紙デザインしたヤツぁ!!
いきなりネタバレしやがって!
古典で皆知っているからといっても、バラしてイイもんじゃないだろうに。
0228天文学者
2005/03/29(火) 03:15:30火星、金星など太陽系に潜むBEM! それを狩る美女! そして活劇!
素晴らしいまでのステレオタイプ。変わっているのは主役が女性だという点だ。
今でこそ珍しくもないが、当時としてはかなり斬新ではなかったかと推測する。
おまけに主人公の"生け捕り"カーライル、すんごい美人でやたらと傲岸不遜で
そして自信過剰なのである。海原雄山とイイ勝負かも。
でもそのくせ、ちょっぴりヘナチョコで時々ヘタレ。うむ、可愛い(笑)。
しかもこの美人ハンター、なんとツンデレ属性まで持っているのだ。
人前じゃツンツン、二人になるとデレデレ。ツンツンデレデレツンデレデレ!
もう無敵である、向かうところ敵なしである。
作者のバーンズは“萌え”という単語を理解していたに違いない!
・・・と、アホなこと書きたくなるくらいキャラが立っている。
通常この手の作品は、BEMが主役で人間は刺身のツマ程度なのに、
我らがカーたんはBEMに負けず劣らず縦横無尽に活躍し(暴れ?)まくる。
キャラが魅力的、BEMもなかなか、話の切れもすこぶるいい。
設定の古臭ささえ我慢できれば、お勧めの一冊ではないかと思う。
【余談】木星篇で出てくるBEM『カクス』は、ウルトラマンに出てくる怪獣
ザラガスのモデルになったのでは? と考えているのは私だけかしら。
【余談2】海王星篇のラスト。バナナの皮でスッテンコロリンはないよなぁ。
いくら古典でもさぁ。お口モグモグのカーライルは可愛いが(笑)。
0229名無しは無慈悲な夜の女王
2005/03/29(火) 12:11:02『惑星間の狩人』はオイラも好きだけど・・・ツンデレってw
0230名無しは無慈悲な夜の女王
2005/03/29(火) 20:28:270231名無しは無慈悲な夜の女王
2005/03/29(火) 20:51:200232名無しは無慈悲な夜の女王
2005/03/29(火) 23:55:220233天文学者
2005/03/30(水) 23:08:23侵略物SFの古典にして傑作。
ひそやかにしかし着実に進められる侵略。
ウルトラマン的なそれでなく、セブン的なと言えばグッと来る、そんな侵略。
侵略者はまったく暴力はふるわない。ただ淡々と一人一人入れ替えていく。
ボディ・スナッチャーと聞けば「あぁアレ!」という人も多いのではないか。
人間に変態するサヤエンドウもグロテスクで素晴らしいイメージだが、眠り込んだ
時を狙ってスナッチするというのも嫌らしさ全開で素敵だ。
最後あたりは、睡眠不足とのツライ戦いになる。
寝たら入れ替わってしまう、自分がいなくなるという恐怖・・・今でも十分通用する。
ラストは妙にあっけないが、これだけ静かな侵略者ならアレもありかなぁと思う。
とはいえ、本を閉じた後も釈然とした思いが残って仕方がない。
本当にすべて終わったのだろうか? そんな思いが残って仕方がない。
この作品、映画化もされている。それも三度も。
しかしSFXは当然新しいものの方が優れているが、面白さで言うなら断然初めの
一本なのだ。実に良質のサスペンスに仕上がっていた。
ドン・シーゲル、流石である(ちなみにダーティハリーの監督さん)。
やはり映画は映像より何より、しっかりとした脚本と演出の巧みさが肝だなぁ。
0234名無しは無慈悲な夜の女王
2005/03/31(木) 10:54:58>とはいえ、本を閉じた後も釈然とした思いが残って仕方がない。
>本当にすべて終わったのだろうか? そんな思いが残って仕方がない。
ここヘンだよ。「釈然と」していないんじゃない?
0235名無しは無慈悲な夜の女王
2005/03/31(木) 21:58:32天文学者たるもの、ちっとやそっとで釈然としないわけにはいかんのである。
0236天文学者
皇紀2665/04/01(金) 01:18:42・・・。
ア、アイゴォ〜!!
素で間違っていたニダ。スルーしてほしいデス、ハイ。
orz
0237天文学者
皇紀2665/04/01(金) 01:19:32生命維持装置なくては生きることもかなわない障害児を、金属の殻の中に閉じ込め
文字通り生きた宇宙船にしてしまうという、ナンともすごい設定のSF。
今の日本国じゃとても書けない作品かも・・・人権団体五月蝿いからなぁ。
でも作者の意図するのはそんなことではなく、陰惨な感じはまず受けない。
だってこの作品、実はSFの殻を借りた純愛メロドラマなのである。
もう最後の『伴侶を得た船』なんて、メロメロの甘甘でグダグダなのである。
お腹一杯、好きにしろや!って感じ。いや、確かに素敵だとは思いますデス。
他人と会話だけで交わる人間が、果たして普通の人間と同じような情感を得ること
は可能なのかと思わないでもないが、この作品の主人公は(図体は別にして)ごく
普通の女の子なのである。うーん、反則気味だ。
しかしストーリー語りが実に上手く、最後までするすると読めるのは大したもの。
女の子に読ませてみた中でも、一番評判の良いSFの一冊でした。
大体マキャフリイの書くキャラは、総じて我がまま自己中で感情を剥き出しにする
ことが多いのだが、そんな所が魅力になっているのも事実。
深く考えずにすーっと読むと癒されます。
・・・知り合いの娘は「ねちねち読むのがイイのよ!」と力説しておりました。
まぁSFも恋愛も十人十色、色々な意見があるということで・・・。
0238天文学者
皇紀2665/04/01(金) 02:12:490239名無しは無慈悲な夜の女王
皇紀2665/04/01(金) 02:24:140240名無しは無慈悲な夜の女王
皇紀2665/04/01(金) 21:50:07ヴァラエティに富んだ短編集『無常の月』を読むと、この著者の間口の
広さと発想の豊かさにあらためて驚かされる。
巻頭作「時は分かれて果てもなく」は〈現実の不確かさ〉という
20世紀文学ではおなじみのモチーフを、SF的技法で手際よく料理
しており、この関心は「霧深い夜のために」でさらに追究されている。
このニ作品からP・K・ディックの影響をただちに見てとろうとするのは
早計に過ぎるかもしれないが、巻頭作の結末部分の処理から、この時期
ニーヴンが、当時アメリカSF界に打ち寄せていた「新しい波」の影響下に
あったことを見てとるのは、さほどの冒険ではないはずだ。
さらに、本書を「未完成短篇 第一番」「第二番」と読み進むと、ニーヴンが
このSF界の変革運動にけっして無関心ではなかったことが分かる。
ただし、新しい波に刺激を受けて書かれた作品群が、一般的傾向として、
なるほど実験精神に溢れてはいるものの、その実験がみごと成功して
いるとはとうてい言えないといった欠点を露呈していたのに対して、
ニーヴンの作品は、保守的な読者をも満足させうるエンターテイメント
としての完成度を概してそなえている。
それは例えば、のちにシリーズ化されることになった異色ファンタジーの傑作
「終末も遠くない」、表題作の「無常の月」や「マンホールのふたに塗られた
チョコレートについてきみには何が言えるか?」が明瞭に示しているとおりだ。
作品のヴァリエーションとしてはほかにも、科学エッセイ風の法螺話
「スーパーマンの子孫存続に関する考察」、「テレポーテーションの理論
と実際」、「タイムとラベルの理論と実際」が、この作者の強靭な思考力を
如実に示しており、一読後忘れがたい印象を残す力作である。
0241天文学者
2005/04/02(土) 22:21:25珍しや、モダンホラーの第一人者クーンツの純SF小説である。
しかも驚くべきことに(失礼)これがまたしっかりとSFしているのだ。
クーンツといえば“愛と勇気と正義のホラー野郎”というイメージが強いのだが、
(んでもって最後には必ず男と女が結ばれるハーレクインロマンス的展開もね)
これは初期のまだ売れていない時代の作品だけあって、かなり違う印象を受ける。
キャラの描写等もまだ甘いし、文体も硬い感じでまだこなれていないよう。
しかしそこは後にベストセラーメイカーになるクーンツ、どうしてなかなか面白い。
物語の大半は追跡劇になるのだが、テンポもさくさく良いし、スリルを盛り上げる
のも忘れていないので、適度に手に汗を握って楽しむことができる。
やはりこの手の娯楽作を書かせると上手いなぁ、と再確認してしまった。
SF的な小道具や演出もそれなりに良い味を出している。
社会体制への批判的な表現が鼻につく所もあるが、書かれた時代を考えると止むを
得ないといったところか。
97年に『人類狩り』と改題されて復刊されている。やぁめでたい!
重版を重ねているところを見ると、どうやら売れ行きも好調のよう。
ただ、クーンツ本人は初期のSFがまったく気に入らないらしく、版権を買い集めて
お蔵入りにさせるということを結構やったらしい。
『ファントム』みたく見も蓋もない派手派手モンスターパニック物も大好きだが、
私個人としては、作風をこの作品みたくSF方向に伸ばしてもらいたかったなぁ。
0242天文学者
2005/04/04(月) 02:46:25ハミルトンの代表作、キャプテンフューチャーシリーズ。
同時にこの作品は、スペースオペラ分野の代表作でもあると言えるだろう。
それも只のスペースオペラではない。古きよき時代のスペースオペラである。
レトロなデザインの宇宙船が飛び廻り、ヒーローと悪役はアメコミ調のコスチューム
に身を包み、ヒロインはお約束でさらわれて、入り乱れて殴り合いの後に大団円。
列記してみると何やら間抜けだが、いややっぱりスペオペはこうでないとな!
ハミルトンは非常に映像的な資質を持った作家で、フューチャーメンシリーズに出て
くるSF的な小道具も、実にイメージ豊かで絵になる物ばかり。
またこの人はそういうアイディアの宝庫で、色々と面白いネタを贅沢に投入している。
アニメや漫画に慣れ親しんでいる人には取っ付き易いのではないだろうか。
初期のフューチャーシリーズは、正体不明の悪漢がテロや犯罪を企て、それを阻止し
ながら犯人を突き止める、という流れがあった。
今作も“生命王”なる犯罪者が若返りの不死薬を密売するのを打倒する。
この“生命王”の正体に迫るのに、なかなか焦らされて引っ張られるのである(笑)。
手掛かりになる石版を見つけても肝心の部分が削られていたり、組織の人間を捕まえ
尋問していると親分の正体をばらす寸前で暗殺されたり云々。
サスペンス物ではよく使われる手だが、ハミルトンってこの辺りも上手い。
かつてNHKでアニメ化されたことがある。なかなかの良作であった。
しかし著作権が複雑なことになっているようで、この前発売予定に上がったDVDは
直前で発売中止に・・・どこでもいいから出してくれないかなぁ・・・。
0243名無しは無慈悲な夜の女王
2005/04/04(月) 18:21:30>しかし著作権が複雑なことになっているようで、この前発売予定に上がったDVDは
>直前で発売中止に・・・どこでもいいから出してくれないかなぁ・・・。
アニメ版キャプテンフューチャーのDVD、去年に発売のアナウンスが流れてから続報が
なかったんで、もしやとは思っていたが・・・あ〜待っていたのになぁ。
どこか再放送でもしてくれないかなぁ。
0244名無しは無慈悲な夜の女王
2005/04/04(月) 23:07:180245名無しは無慈悲な夜の女王
2005/04/04(月) 23:47:38淋病持ちなのでつねw
0246名無しは無慈悲な夜の女王
2005/04/05(火) 00:09:140247名無しは無慈悲な夜の女王
2005/04/05(火) 00:42:05いわずと知れたサイバーパンクの代表作。
マトリックス観てすごいと思っている人には是非読んでいただきたい。
0248名無しは無慈悲な夜の女王
2005/04/05(火) 13:51:32新鮮な食材は食べられなさそうだけどな。
スペースマン、けっこう良いよなスペースマン。
宇宙航行中にトイレが壊れたら悲劇だけどな。
スペースマン、やっぱり良いよなスペースマン。
毎日同じ顔ばかり見てたら殺し合いになりそうだけどな。
スペースマン、憧れて良いよなスペースマン。
右手が恋人どころか古女房にまでなりそうだけどな。
・・・なんか短篇でも一本書けそうな気がしてきたw
0249名無しは無慈悲な夜の女王
2005/04/05(火) 14:40:280250名無しは無慈悲な夜の女王
2005/04/05(火) 18:44:080251名無しは無慈悲な夜の女王
2005/04/05(火) 19:15:25「10月1日では遅すぎる」フレッド・ホイル
とか好きなんだけど、このスレ的には評価低いの??
0252天文学者
2005/04/07(木) 22:38:41『地球最後の男』という名前の方が知られているかもしれない。
突如世界中に吸血ウィルスが蔓延し、主人公以外の人間はすべて吸血鬼に
なってしまう。ナンとも大胆な設定だ。
仕方なく昼はバンパイアハンター、夜は獲物として、昼夜駆けずり回る主人公。
しかし、段々と吸血鬼たちは進化?していき、組織だった行動を取るようになる。
旧人類とは違う、吸血鬼なりの社会規範が確立されていくのだ。
そして、原題の『I am legend』の意味が明らかになるラストシーンへ。
イメージの逆転! 古き良きSFのセンスオブワンダーがここにある。
ただ一人の人類になってしまった主人公は、とにかく苦悩しまくる。
この苦悩具合が何となくナルシシズムに浸れて、実は結構イイ感じ(爆)。
映画化もされている。主役は人類最後の男を演じさせたら右に出るものがいない
チャールトン・ヘストン。(ノリはほとんどゾンビ映画だった)
この作品からインスピレーションを受けて、G・ロメロが『ナイト・オブ・ザ・
リビングデッド』を撮ったことは有名・・・らしい。
ちなみに藤子不二夫の短篇漫画『流血鬼』の元ネタだったりもする。
短編ながら、実にきれいにまとめていた。さすがだ。
ドラえもんの原作者というのは伊達ではないのだなぁ。
「知らなかった、星空がこんなに綺麗だったなんて」実に名台詞だと思う。
0253天文学者
2005/04/07(木) 22:44:49『10月1日では遅すぎる』、私も結構好きでしたよ〜。
何と言うか、SFというよりも時間にまつわる哲学書、みたいな感じの一冊でした。
こういうのを子供に読ませることが出来たら、物理とか好きな子が増えるのでは
ないかなぁ、とボンヤリ思ったりしますデス。
問題は、最近の子はSFはおろか一般文学でさえ読まなくなっていることでせうが。
読書っていうのは、どんなジャンルのものでも必要だよと感じる今日この頃です。
0254天文学者
2005/04/10(日) 01:32:12一言で表すと「SFポルノ」になってしまう異色作。
仲間との乱交パーティを開き、そんな自分をタイムマシンで出歯亀しに行く主人公。
そんな???なシチュエーションがコレでもかというくらいに出てくる。
若かった私は本書を読みながら、周りを気にして焦りまくったものだ。
とにかくHシーンに満ち溢れている。書かれた時代を考えれば、シルヴァーバーグは
かなりな冒険をしたのではないかと思う。いや濃厚濃厚(笑)。
しかし、本書の魅力?はそれだけではない。
本書はタイムパラドックスに真正面から取り組んだ作品でもあるのだ。
多種多様なタイムパラドックスのケースが提示され、またそれを解決する方法自体が
パラドックスを利用していたりする。
中にはナンだかなぁと思う物もあるが、なかなかに混乱させてくれて面白い。
主人公が自分のご先祖様に恋をして猪突猛進で突っ走る辺りから、物語りは動き出す。
予期せぬ事態が次々と起こり、タイムパトロールに露見する前に何とか修正しようと
努力するものの、時間線は更にこんがらかって行く。
「そうなったらわたしは 」と唐突に終わる最後の文章、最初は何のことやら
理解できず、落丁かと疑ってしまった。
よくよく考えると、主人公がパラドックスで存在を消されたということなのだな・・・。
読後に、何とは詳しく言い表せない切なさが残る作品。面白いです。
0255名無しは無慈悲な夜の女王
2005/04/10(日) 13:43:51これだけ!にしては多くないか?
0256名無しは無慈悲な夜の女王
2005/04/10(日) 14:29:33多く上がっている中から、自分だけの「これだけ!」を見つければよろし。
と、どこかの長老のように呟いてみるテスト。
0257名無しは無慈悲な夜の女王
2005/04/10(日) 19:39:11この程度の分量が読めないって?
読書週間ないのかい?
0258天文学者
2005/04/10(日) 23:01:12この作品のシリウスって、星の名前でもなく、怪盗の名前でもない。
犬の名前なのだ。人間によって知性化された犬、それがシリウス。
いわば犬版『アルジャーノンに花束を』と呼ぶべき、古典中の古典SF。
犬の視点から人間社会を風刺した風味もあり、ステープルドンの書きたかったことも
この辺りにあったのではないか、と思う。
日本でいうところの『我輩は猫である』みたいな香りも、少し感じたりする。
しかし、アルジャーノンは知性化されても人間であり続けたが、シリウスは違う。
人間並みの知性があっても絶対に人間には成れないし、かと言って犬にも戻れない。
人為的に作られた一代限りの謂わばミュータントなのである。
この設定から既に破滅の匂いが感じられ、それは結局現実のものとなる。悲劇だ。
犬を知性化するというネタだけで、破綻なく小説を一本まとめるのは大した力量だ。
やはり名作というのは、優れたSFである前に、優れた物語である必要があるのだな
と再認識させられた。
犬好きにはぜひ読んでほしいが、犬好きには最後がつらい小説でもあります・・・。
0259名無しは無慈悲な夜の女王
2005/04/11(月) 17:15:42例えば創元文庫の『天使と宇宙船』(小西宏訳)は、まだ
むかしの表紙のままで改訂もされずに売られているようだ。
このスレでは、>>36 さんが、ブラウンの『発狂した宇宙』と
『火星人ゴーホーム』の長編2作品を挙げているし、
>>169 さんが『スポンサーから一言』を推している。
で、個人的には、SFに限って言うと、この『天使と宇宙船』
こそが、21世紀にも読み継がれるべき代表作というわけ。
理由は、何といっても収録作の粒が揃っていること。
その中でもイチ押しは「ウァヴェリ地球を征服す」だ。
この、なんとも言えぬほのかな郷愁が、読者の懐古趣味
を心地よくくすぐるのである。ノスタルジア自体は、けっして
嫌いではないが、ジャック・フィニイでは甘すぎてちょっと・・・
という大人の読者にお勧めしたい一品。
0260天文学者
2005/04/13(水) 21:10:55SF界の大御所、ポール・アンダースンである。
個人的には竜頭蛇尾な凡作が多いと思うのだけど、この人のSFに対する情熱や貢献
を認めないわけにはいきません。そういう意味でも大好きな作家の一人。
本書は、時間警察という概念を初めて形にしたSFである。
ウェルズが“タイムマシン”を発表し、アンダースンが“タイムパトロール”を提唱
したおかげで、時間SFの設定は粗方固められてしまったかのように思える。
そういう意味では歴史的な作品なのである、エポックなのである。
作中のパラドックスが今一だったりするのも、優しくスルーするべきであろう。
何と言っても始祖なのだから。SFファンの半分は思いやりで出来ている(違)。
時間SFの醍醐味である“歴史のif”や“歴史上の有名人物との交流”もバッチリ
網羅されている・・・と思いきや、第一作の登場人物がいきなりアレ、アレ過ぎ!
アドルトン?チャリングクロス?・・・そう、言わずと知れたあの諮問探偵なんである。
いいの?っていうか、歴史上の人物じゃないじゃん!?
アンダースンのシャーロキアンぶりは有名だけど、まさかこのシリーズの第一作が、
いわゆる『語られなかった事件』の一エピソードになっているとはねぇ。
広角的に見ると、コナン・ドイルがいなければ、タイムパトロールも存在していなか
ったのかもしれない。凄い時空の相関関係・・・。
本国ではシリーズ化されるほど人気で、現在四作品が発表されているらしい。
だのになぜか翻訳されているのは、一冊目の本書と、四冊目の『タイム・パトロール
時間線の迷路』だけなのだ。
題材が題材だけに、まさか何かのパラドックスでも生じているのか。
・・・んなわきゃないか。とりあえず何も考えずに楽しむべき一冊なのであります。
0261名無しは無慈悲な夜の女王
2005/04/13(水) 22:09:00>『天使と宇宙船』
収録作の、「死刑宣告」は最高!
オレもあんなふうになりたいなあ。
0262名無しは無慈悲な夜の女王
2005/04/14(木) 09:54:31そりゃ、オトコはたいがい皆そう思うわけで……御意!
0263名無しは無慈悲な夜の女王
2005/04/14(木) 13:02:55「困ったな、この人・・・どう対応していいのやら・・・」
と思うわけで・・・←それはあなただけです_| ̄|○
0264名無しは無慈悲な夜の女王
2005/04/14(木) 22:07:13確かゼラズニイの小説で、サンリオから出ていたヤツ。
乗り物に乗ると時間移動ができるヤシラの話だった。
最後の方で、重要人物の一人が考古学者だと判明。
メソポタミア文明が研究テーマなんだが、過去にさかのぼって
自分で土器を埋めておいて、現代に戻ってそれを掘り返して
論文にしているってエピソードがあった。
「文字通り、歴史を創っている訳だ」と、なぜか得意そうだった
ような記憶がする。
こーいうの読むと、やっぱ時間旅行って無理だよと思う。w
0265名無しは無慈悲な夜の女王
2005/04/14(木) 22:24:17大体好きなんだけど「処女惑星」を読んだときには
こいつは頭に何かが湧いていると思った。
0266名無しは無慈悲な夜の女王
2005/04/14(木) 23:22:03ブラッドベリ、ティプトリーあたりが読みやすく好きだ。
お勧めはないですか。
0267名無しは無慈悲な夜の女王
2005/04/14(木) 23:31:36読みやすいし、面白いし、ちゃんとSF。
0268名無しは無慈悲な夜の女王
2005/04/14(木) 23:51:19イタロ・カルヴィーノをお勧めしたい。
ハヤカワとちくまから文庫で色々出ています。
0269名無しは無慈悲な夜の女王
2005/04/15(金) 00:12:14タイムパトロールものだと「TERRAの工作員」シリーズなんてのもありますよね。
これなんか再刊してもいいんじゃないかと思うんですけどねえ。
0270名無しは無慈悲な夜の女王
2005/04/15(金) 03:30:18ざっと見たけど名前挙がってないね。
できれば私的に新訳しなおしてほしいNo1なんだけど。
0271名無しは無慈悲な夜の女王
2005/04/15(金) 17:56:00初めにこいつを読んで「うおぅっこいつは凄ぇぜ!」と感動し、
その他の作品も読みまくった。
その他が皆・・・な出来だったのでダメージひとしお。orz
いや、面白くないことはないんですよ。
そこそこの出来ではある。
でも手放しで面白いと言えるかといえば、頭傾げちゃうわけで。
初っ端にその作家のどの作品を読むかも、重要なんだよなぁ。
ギャンブルみたいなもんだけど。
0272名無しは無慈悲な夜の女王
2005/04/15(金) 20:24:01『ロードマークス』な
そいつは考古学者じゃなくて、本当にウルのメソポタミア人
なのよ。 で、主人公達にこれはズルじゃないって言い訳してた。
ついでに乗り物は徒歩以外なんでも可。(徒歩は危険かつ遅すぎ)
時間旅行は〈道〉に入る能力を持ったもの(別にコンピュータでも
可)だけがok。一度入ればどうゆうわけだか、その能力持ちにな
れる。乗り物については遠い過去OR未来に行きたい時ほど、速い奴
が必要。
ちょっとカッコイイので私の愛読書。
0273名無しは無慈悲な夜の女王
2005/04/16(土) 10:59:10「冷たい方程式」が挙がってないのは、1950年代作品ではあるが
「古典」というより「定番」という認識のせいかと。
かのシオドア・スタージョンをして、「このような作品を書くことが
私の一つのの目標になった」と言わしめた傑作。
間違いなく “これだけはおさえておきたい!” の代表格ですね。
0274名無しは無慈悲な夜の女王
2005/04/16(土) 21:38:49名前ではないかもしれない。しかし、ただ一つ(中略)この「冷たい方程式」
だけは、記念碑として残しておきたい気がする。」
シオドア・スタージョン (伊藤典夫訳)
0275名無しは無慈悲な夜の女王
2005/04/16(土) 22:52:400276名無しは無慈悲な夜の女王
2005/04/17(日) 11:35:21“密航者”は皆、逃亡中の犯罪者という説明があったと思う。
“少女”はまじめで勤勉で愛くるしい十代の女子学生だった・・・
「冷たい方程式」の登場人物に悪い人はいないんだよなあ。
それなのに・・・・・・ああ・・・・・・(泣
0277名無しは無慈悲な夜の女王
2005/04/17(日) 11:58:510278名無しは無慈悲な夜の女王
2005/04/17(日) 14:00:11まじめで勤勉な、脂ぎった禿げ親父の話だったら>>274のような評価を
得られたとは思えない。
>「冷たい方程式」の登場人物に悪い人はいないんだよなあ。
という点がまったく同じだったとしても。
女性読者はどう思っているのだろう?
0279名無しは無慈悲な夜の女王
2005/04/17(日) 14:10:56若くて美人は基本的に得をする
「たったひとつの冴えたやり方」も同じだと思う
共感? は、若くもないし美人でもないから無い。
さっさと、宇宙へ放り出せよな。
0280名無しは無慈悲な夜の女王
2005/04/17(日) 14:25:28ヽ(`Д´)ノ 禿でなぜ悪い!
0281名無しは無慈悲な夜の女王
2005/04/17(日) 14:35:53たしかに、読んだ当時ちょっと考えたわ。実際若い女性だったわけだが。
その点で比較するなら、アシモフの短編、
さえない中年オジサンが地球に帰りたい
一念で活躍しちゃう話のほうが私はずっと好き。
>>279
現実問題として、欲情されるっていうのはリスクも高まるものだから
一概に言えないよ。 でも読者集客するにはなにより若い美人かもね。
0282名無しは無慈悲な夜の女王
2005/04/17(日) 17:48:23別に居なくてもいい存在なのだなと思った
0283名無しは無慈悲な夜の女王
2005/04/17(日) 17:50:23そういうことなのかと膝を打った日曜日の午後。
0284名無しは無慈悲な夜の女王
2005/04/17(日) 17:59:06手塚の初期SF長編三部作なんかは、その後の(漫画)作家あたりに
与えた影響を考えると必読に値すると思うのだが
藤子や石森など直系の作風だったし
0285名無しは無慈悲な夜の女王
2005/04/17(日) 20:21:07orz
0286名無しは無慈悲な夜の女王
2005/04/19(火) 11:19:10方程式論争って奴ですな。
非現実的性差別的って点を含めて論議をかもしたそうな。
0287天文学者
2005/04/24(日) 13:14:57中年に手が届こうかという冴えない貧乏船長の主人公が、年端も行かない少女たちと
知り合ってゴイスーな超能力に目覚め、気がつけば銀河宇宙を救うという、とんでも
シンデレラボーイな痛快スペースオペラ(笑)。
うむ、この一文でこの作品すべてを表してしまったような気がする。
少女萌え属性を有する方には、ある意味堪らない作品ではないか。
とはいえ、どちらかと言えばそういう偏った属性のない、普通のSFファンにこそ
読んでほしい一品だと思う。
飛び切り善人な主人公と、その保護者になることを宣言した十歳の少女。
この世に怖いものなし、でも時々は天然でトホホ。
そんな凸凹コンビの活躍を流れのままに楽しむのがベストな読み方であろう。
ある意味かなりヘビーな状況に追い込まれてしまうのだが、主人公の思いは暖かく、
作者の視点も優しい。世知辛い世の中に疲れた、そんな時の一冊にどうぞ。
シュミッツの他作品としては、『悪鬼の種族』『テルジーの冒険』なども痛快な冒険
SFとしてお勧めだ。寡作なのが本当に残念な作家である。
0288名無しは無慈悲な夜の女王
2005/04/24(日) 17:49:24『惑星カレスの魔女』
表紙の絵を描いてるのが宮崎駿サンだったというだけで、
粗筋も何も調べずに購入した私は、負け組みでせうか?
いや実は面白かったんで、後悔はしていないんですがw
0289名無しは無慈悲な夜の女王
2005/04/24(日) 17:53:150290名無しは無慈悲な夜の女王
2005/04/24(日) 21:11:14ガキの描き方が非常にリアルだしな>惑星カレスの魔女
0291名無しは無慈悲な夜の女王
2005/04/27(水) 20:12:27初刊行は新潮文庫だったけど、数年前に創元から再刊されたよね。
その時もカバーは宮崎さんの絵をそのまま使ってた。
なぜかすごくホッとした自分がいたw
0292名無しは無慈悲な夜の女王
2005/04/27(水) 20:31:57宮崎駿が表紙描いたわりに売れなかったらしいな。>「惑星カレスの魔女」
0293名無しは無慈悲な夜の女王
2005/04/27(水) 22:26:160294名無しは無慈悲な夜の女王
2005/04/28(木) 20:23:07姉妹篇ということで、先月に刊行された「反対進化」(創元SF文庫)も
ついでに読もう。どちらも中村融(編訳)です。
0295名無しは無慈悲な夜の女王
2005/04/29(金) 04:18:37感動した。ものすごい世界観とアイデアを巧みに描いてるね。
ワクワクドキドキと、発見と、「社会」みたいなのの切羽詰った感じが凄かった。
読んでよかった。
終わりの二章ぐらいは、なんか拍子抜けというか、「ああ、そうだったんだ」って感じだけど。
0296名無しは無慈悲な夜の女王
2005/04/29(金) 19:12:02D・R・クーンツ「ウォッチャーズ」は読んでます?
やはり知性化された犬の話だけど、彼のおかげで結ばれた主人公カップルが、
「自分たちの子供も同然だ」と必死に守るのがほっとする。
0297名無しは無慈悲な夜の女王
2005/04/29(金) 20:46:35歌う船読んだ。凄い面白かった。
願望が詰まってる、女版「夏への扉」かも。
0298天文学者
2005/04/29(金) 22:32:01物語の前半では、辺境惑星に流れてきた老人と、その星の土着生物であるファジー族
(毛むくじゃらのピカチュウみたいな生き物)との交流が描かれる。
なかなか微笑ましいファーストコンタクトぶりで、心温まる雰囲気だ。
しかし、後半は一転してそのファジーたちの知性を問う裁判劇となる。
ヴェルコールの『人獣裁判』と比較されることが多いようだが、あちらはどちらかと
言えば(人間から見て)醜い生物の知性の有無を裁判で争ったのに比べ、ファジーは
実に可愛らしい外見なのだ。もう裁判やる前から勝負は着いている。
ちょっと卑怯というか、魚の小骨が引っかかるような思いがしてならない。
ファジーが醜い動物だったならば、果たして人類は裁判までして彼らのために争った
だろうか。話題にもせず、彼らが滅びるに任せたのではないか・・・うーむ。
そう考え出すと、裁判の描写も、途中から弱い者苛めのような印象まで受ける。
ただ、ファジーたちが純粋で可愛いのは間違いない。
前半のコンタクト部分はそれだけでも楽しめるし、可愛いキャラが好きな人ならば、
読んでおいて損はないだろう。
作者を変えてシリーズ化されたが、どうやら単なるキャラ萌え小説と化したらしい。
海の向こうも、嗜好に関しては日本とそう変わりはないということか。
翻訳はされていないが、何となく、読んでみたいようなみたくないような・・・。
0299天文学者
2005/04/29(金) 22:57:19・・・うぃ、私も宮崎さんの表紙に引かれて買ったクチデス、あぅ。
買ってあまりの面白さに、慌ててシュミッツの他作品を買い集めました。
(といっても二冊しかありませんが ^^;)
私の判断は間違っていなかったデス! 宮崎さんに感謝!!
>>295
『逆転世界』 アゴが落ちますよね? 正にとんでもねー作品(笑)。
>>296
『ウォッチャーズ』、読んでいますよ。犬好きなら読まないと(笑)。
でも、この小説で一番印象深かったのは、犬のアインシュタインではなく、
敵方のモンスター<アウトサイダー>だったりします。
生物兵器としてデザインされた醜い身体で、哀れなことにその醜さを自覚
できる知性を与えられている――こんなヒドイ話はない。
最後、倒されるとわかっていても、主人公が来るのを待つアウトサイダー。
『こいつはこんなにも他人とコミュニケーションが取りたかったのだ』
そして、あんなに憎んだ犬も殺せなかったアウトサイダーの最後の言葉・・・
ダメだ、犬好きに限らず、動物好きにはツライ作品だと思います。
やっぱクーンツは上手いわぁ。
0300名無しは無慈悲な夜の女王
2005/04/29(金) 23:14:200301天文学者
2005/04/29(金) 23:21:03>>297
そうですね、願望成就小説という面では、『歌う船』と『夏への扉』の二作品は
似ているかもしれません。ハーレクインSFの世界へようこそ!(笑)
0302名無しは無慈悲な夜の女王
2005/04/30(土) 08:24:500303名無しは無慈悲な夜の女王
2005/04/30(土) 10:33:31たまたま見てて、腰抜かしたよ…。
他にも「こち亀」の全巻読破だのガンプラ三昧だの、
中途半端のヲタなネタが。
しかし「300巻を超えて未完の長編小説」つーてもなあ。
本国では2000巻(3000いったんだっけ?)超えてる、と
いう説明はなかったな>
0304名無しは無慈悲な夜の女王
2005/04/30(土) 10:58:42つーかアンチテーゼかもしれないねそれぞれ
0305天文学者
2005/04/30(土) 21:03:39ブラッドベリは天性の詩人である。
『ロケットの夏』の情熱と感じられる期待感。
『第二のアッシャー邸』の残酷さと怒りと無邪気。
『火星の人』の哀しみと慈しみ。
『長の年月』の優しさと狂気。
『優しく雨ぞ降りしきる』の寂寥感、報われることのない奉仕。
『百万年ピクニック』の過去への、そして未来への思い。
希望と諦観、喜びと哀しみ、苦痛と癒し。そのすべてが『火星年代記』にはある。
学生時代に読んだ時、言葉では言い表せない感動を覚えた。
少し疲れた社会人になった今読み返してみると、今度は別の感動を覚えた。
読むたび涙が出そうになる。そして気がつくと私は癒されている。
何度でも言う。ブラッドベリは天性の詩人である。
そしてこれはブラッドベリの、そしてSF史上に燦然と輝く傑作である。
読んでいない人は、人生で損をしているとまで思う。
・・・すいません。私の中で特別過ぎて、まともに紹介文が書けません。
他人からすれば何してんの?等々思われるかもしれませんが、こういう作品に
出会えた自分は、素直に幸せだと思うのです。
0306名無しは無慈悲な夜の女王
2005/04/30(土) 21:07:170307名無しは無慈悲な夜の女王
2005/04/30(土) 21:07:48実際、邦訳されてる中であれほど中西部の雰囲気を感じさせる作家はいるだろうか。
0308名無しは無慈悲な夜の女王
2005/04/30(土) 21:15:17『昆虫銃』 がほしい!
0309名無しは無慈悲な夜の女王
2005/05/01(日) 23:52:31読書力 / 斎藤孝/著
http://books.yahoo.co.jp/bin/detail?id=31026991
理想の国語教科書 / 斎藤孝/著
http://books.yahoo.co.jp/bin/detail?id=30971578
を読んで読書の意義とスタイルを学んだあとで
必読書150を読めば、まず間違い無い。
必読書150のリストは↓のアドレス参照。
『必読書150』は必読書か?
http://book3.2ch.net/test/read.cgi/book/1090570166/l50
0310名無しは無慈悲な夜の女王
2005/05/05(木) 06:47:490311天文学者
2005/05/07(土) 23:34:50いずことも知れぬ宇宙の深淵よりやって来る、恐るべき戦闘機械『狂戦士』。
いつ、どこで、誰が創造したのかまったく不明。
その存在目的はただ一つ・・・生あるものすべての殺戮と消去!
謂わば自意識を持ったデススターみたいなモンがターミネーターみたいなモンを満載
して、この人類銀河にわしわしと攻め込んでくるのだ。
正に人が創作したSF史上“最悪にして究極の”敵役である。
この設定思いついた時点で、セイバーヘーゲンは勝ったも同然!
彼にはこのシリーズしか著名な作品はないかもしれないが、このシリーズとその設定
だけで、歴史に名を残すことは間違いない。
本作にはこのバックボーンに、タイムスリップの要素まで加えられている。
神話時代の荒野で激突する、人型決戦兵器と蜘蛛型バーサーカー。
英雄時代の大海原に暗躍する、骸骨型バーサーカーと大海竜要塞。
そして中世の老科学者を禁断の知識で誘惑する僧侶型バーサーカー。
いや燃える! 特にメカフェチな人は、第一部のスレイブユニットによる戦闘は必読。
マスターユニットが宙吊りになっていたりして、実に画期的で格好イイ。
またセイバーヘーゲンの小説はこの設定からすると意外かもしれないが、実にロマン
チシズムとヒロイズム、そしてリリシズムに溢れているのだ。
タイトルで食わず嫌いしている人、ここは騙されたと思って読んでみてもらいたい。
本当に面白いゾ!
しかしナンだこの邦題は・・・ある意味、随分と損をしているのでは?
【余談】セイバーヘーゲンって名前、格好イイよなぁ!羨ましい。
0312名無しは無慈悲な夜の女王
2005/05/08(日) 10:32:46いや〜、それは、よかった、よかった。
もしよろしければ >>207 の「人間以上」も読んでやってくださいな。
あなたのような方がいて天文学者氏ももって瞑すべしでしょう。享年45。
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