平坦地で敵の攻撃方向を限定出来ないものの、丸馬出しを多用して出入口を補強してあるのが
躑躅ヶ崎館、海津城、岡城、田中城、大坂城の真田丸等。
特に田中城は平地の真ん中だが、珍しい円形の城で、丸馬出しを効果的に配置して固い守りを実現し、
1582年の攻防戦では家康が力攻めでの攻略を諦めている。
牧之島城は、今でも丸馬出しと枡形虎口のセットが現存しており、武田流築城術の見本。
新府城は西側は絶壁で南と東もかなりの段差で、北は地続きだけど、水堀と射撃陣地により、鉄壁。
東は川を利用した水堀にして、戦闘方面を南に限定している。
そのうえで南側に丸馬出しを作り、敵を丸馬出しの入り口がある丸馬出しの側面に誘い込み十字砲火で殲滅を狙える。
このことから新府城は、武田流築城術の集大成と言える。