戦国ちょっといい話39
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0933人間七七四年
2014/05/14(水) 01:02:20.95ID:qKg88vb0その夜、高虎は数人の侍臣に酒を振る舞い、賑わしく過ごしていたが、話の半ばに至って
突然黙りこみ、じっと耳を傾けているふうであったが、やがて座を立ちひらりと庭に飛び降りた。
皆は驚いて立ち上がったが、高虎は振り向いて手を振ってこれを制し、そのまま足を進めて
暗い庭を、向こうの堀際まで進んだ、と思う頃、「バサリ」と太刀音が響き渡り、同時に
「燈火を持ってまいれ!」と、高虎の大声が響いた。
侍臣たちは応と答えて手燭を持って駆けつけると、そこには年頃40ばかりの大男が、
袈裟懸けに斬られて倒れていた。
高虎は笑って「酒の肴をしたぞ」と言いながらとどめを刺した。
夜が明けてこの大男の詮議をしたが、結局それがどこの何者なのか解らぬままに終わった。
しかし『曲者が忍び込んだのをただ一人早くも察知し、一刀に斬って捨てられた武運の強さよ』と、
この話を聞く者、高虎の武勇に感じないものはいなかったという。
(西島八郎兵衛留書)
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