戦国ちょっといい話35
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0756人間七七四年
2012/12/12(水) 17:49:53.63ID:DWwV7Fb9皆が馳せ出て供奉しようとしたのだが、本多正信が制し止めた。
家康は素肌に鷹の羽を散らしたはな色の羽織を身につけ、鹿毛の馬に乗って城溝の辺りに
立った。城中より撃ち出される弾丸が雨のように降り注いだがいささかも怖れず、加賀越前の
丁場まで巡視して住吉の陣へ戻っていった。
この時のことであろうか、弾丸がしきりに降り注ぐので正信は「こんな所に長居されては
危険です。早くこの場を離れてください」と言うも、家康は聴く耳を持たない。
そこへ初鹿野信昌と横田尹松が進み出て「殿はもとより鉄砲の激しい所をお好みですから、
ここより船場の陣には大砲を仕かけてありますので、ちと御覧くだされ。いざ御供いたす」
と進言すると、家康は船場の方へ馬を進めた。
そこは蜂須賀家の持口で城より遠いので弾丸の来ることは稀であった。
「大将が巡視に出て弾丸が恐ろしいと引き返せば三軍の示しにならない。さすがかの両人は
甲州者だけあって軍陣の法に練熟しておる」と家康はいたく賞誉した。
――『徳川実紀(大坂覚書、感状記)』
一方、息子も似たようなことをやっていた。
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