小牧長久手の戦い時、井伊直政は高木清秀に取り縋って泣いた。
「今日の合戦は多分私は功名を立てられないでしょう」
清秀はそんな直政を慰めた。
「いやそのような事はない。やがて手にあいなさる」

開戦前には家康が直政の陣へ行き直政の手を取り別れを告げた。
「これにてさらばだ」
「そのようになりましょう」と直政が応えた。

これを聞いた直政の家来で老功の者が直政を諌めた。
「あのように弱き御挨拶をお返しなさるとはどういうおつもりか」
直政は応えた。
「左様にても殿があのように仰せられたのだ」

(『武功雑記』巻十三、巻四)

そして開戦後の直政
ttp://iiwarui.blog90.fc2.com/blog-entry-571.html

戦後、上方の武将たちから「井伊の赤鬼」と呼ばれるようになる。