某氏の聚楽第レポ


これはすごい!
屋敷の中がすべて金で塗られている!
全部の部屋の内外上下、壁の屏風、廊下と縁側、台所に馬屋、厠、ついでに置いてある机や道具まで金塗りだ!
屋根瓦と外壁の瓦は金塗りの上に花柄模様がついてるし!
おまけに全部の屋敷に門が2つずつあって、うち1つは関白だけしか使えない関白専用の門(もちろん金塗り)だ!
2000軒以上も建物のあった上京のほぼ全部がこんな建物で埋め尽くされてる!
これがたった6ヶ月で完成してしまうなんて!しかもいまだに広がり続けてるなんて!
そしてこれだけの工事をしておいて、屋敷の中だけでなく、門の外にさえ一切なんの汚れも痕跡も残ってない!
この世のものとは思えないほど清潔だ!


だけど…えーと…ほら……
こんなの大砲が4門もあれば半日で壊せるから!別に戦闘用に作られてるわけじゃないけど!
あと、ここの外にある京の町はヨーロッパの町より全然ショボいから!こことは直接関係ないけど!
あと、この町はいかにすごくて、所詮お金をたくさん出せば買えるけど、
ヨーロッパの町とか教会には無限の価値があるから!お金じゃ買えないから!

こんな無理矢理作らせた町は、関白が死んだら消えてなくなる気がするし!
繰り返すけど、日本の町が全部こうなわけじゃないから!
これから日本にくる新任の宣教師は勘違いしないように!



安土城や大坂城は手放しで賞賛しているのに、なんでこんなに真っ赤になって否定するのか。
フロイスのこの記述から、聚楽第がいかに凄い建築物だったかが逆説的にうかがえるのである。