放生橋の戦いの頃、新発田の兵二人が上杉軍に捕らえられる事があった。
この兵たち、見れば新発田城に兵糧を運び込もうとするところだったようである。
二人は景勝の前に引き出されたが、すると景勝が言うには
「強き敵なら兵糧攻めも兵法の一つだろう。
しかし新発田に対しては正面から実力で打ち勝ってこそ価値があるというものだ。
兵糧を運び込むというならそれを止めることはない、放してやれ」
と言い二人をそのまま城へ帰させてしまった。
無事兵糧が到着したことに新発田城の者達は喜んだ。

…のだが新発田重家、上杉の陣から無事に帰ってきた二人を見て
さては上杉に内通しており中から城に火を放つ算段であろうと思い、これを斬り殺してしまった。
この話を聞いた葦名の者達は皆景勝を讃え重家を憎んだ。