戦国ちょっといい話28
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0801人間七七四年
2011/09/26(月) 22:39:51.45ID:qKpWGIGXとある戦いで敵地深く侵入した時、索敵の斥候が家康にこう告げた
「この草原の前方右に、かなり広い湿地帯がございます
誤って馬などに乗り入れますと、ぬけなくなる恐れがございますので、御用心が肝要かと」
この報告を聞いた家康は、一瞬前進を躊躇した
敵はもしかして、その湿地帯に誘い込み、罠にかかったところを一斉攻撃してくるかもしれない
もしそうなれば、大勢の味方が命を落としてしまう
しかし敵城は間近 今更引き返すことも出来ず、味方は後ろから何も知らずに続いてくる
そこで家康は伝騎を次々と出して、後方部隊に知らせたが、どうも徹底した様子が見えなかった
それを見た家康は何を思ったのか、突然一騎で駈け出した
驚いた近時が慌てて後を追ったが、たちまち家康は件の湿地帯に向かって一直線に駈け出し
そのまま泥沼の中に身投げした
折からの初夏のこと、泥沼からやっと這いでた家康は、泥人形のようであったという
「殿が深田に落ちて泥だらけになったぞー!」
「あやうく一命を取り落とすところであったそうだぞ!」
このような知らせがたちまち全軍に伝わり、湿地帯への注意はこうして徹底され
その後始まった敵兵との遭遇戦で、深田に落ちて討ち取られた者は一人もいなかったという
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