徳川家康がこんな事を言ったことがある

「昔から戦場において指物や、その他何であっても落とす事を『比興』だといって
批判することがあるが、それは不詮議の至りというものだ。
戦場で何を落としたとしても、武功を示せばそれは許されてしかるべきである。

例えば敵の頚を取るという時、落とすのが嫌だと槍を脇に抱える、などというのは
かえって分別の無い話ではないか。」(武功雑記)

モノに気が入って本来の仕事を果たせないのでは本末転倒である、と言う事だろう。

一方で家康の言うように戦国期の記録などには、指物や武具などを落とし敵に奪われることを
必要以上に恥辱視する考えなども見え、主君としては、こういうことを言って本来の目的が
歪むことを防ぐ必要があったのだろう、なんて事を考えさせるお話。