小牧長久手の時のこと

かさにかかって攻める徳川軍は、先へ先へと乱入する。
これに徳川軍の部隊長たちは「止まれ!止まれー!」と制しようとするが、その命令も耳に入らず
少しも止まらない。

この時家康

「軍勢にああいう勢いがついたときは、止めようとしても止まるもんじゃない。
まあそのままにしておけば、先で敵に合って止まるだろう。
我らはそうなった時すぐに対応できるよう、即刻備えを立てよ。」

と命じた。
案の定その軍勢は先で待ち受けた敵と遭遇したが、後方の備えが万全であったため
大きな問題にならなかったという。

おそらくこう言うのが戦場の呼吸というものだろう。そんな事をちょっと思わせるおはなし。