そういえば黒沢映画「七人の侍」で三船敏郎演じる菊千代は、周囲に鎖を垂らした兜の鉢をかぶっていた場面もあったが、最後の決戦のでは頭部には「はつぶり」(字失念)をつけただけだった。額の部分を守るのには有効だったと思われる。
最後の場面で兜を用いなかったのは、天辺の穴から髷を出せないためしっかり固定できず、撮影の激しい動きに対応できなかったからだろう。
ところで、この時小道具として用いた兜の鉢は、某有名画家が所有していた平安期の本物で、文化財指定された物、と読んだだ記憶があるのだが、現在調べても該当するものがない。映像を見る限りそれらしい物で、平安期のものと言うのは真実らしく思える。