当世具足★★★鎧について語ろう★★★大鎧
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0711人間七七四年
2011/09/05(月) 00:14:07.90ID:Zccr3F0Http://www.scalarchives.com/web/dettaglio_immagine.asp?idImmagine=H400225&posizione=4&numImmagini=698&SC_Luogo=Royal+Armouries%2C+Leeds%2C+Great+Britain&prmset=on&SC_PROV=RA&SC_Lang=eng&Sort=9&luce=
↑は現在、イギリスはリーズの王立武器庫に所蔵されている最上腹巻具足だが、室町末期から桃山・江戸初期の貴重な実戦用甲冑である。
特に注目したいのが、小振りのシコロを付けた古頭形兜。日根野形や越中形が現れる前の原初的でシンプルな形状をしている。
その多くは江戸期に張懸兜の土台に転用されたため、現在にまで古頭形がそのまま伝わっている例はごくわずかで、なかなか見られない一品である。
草摺の段数も驚異的に多く、8段というまさに「佩楯いらず」というべき長さである。
同時期の胴丸・腹巻でもここまで段数を増したことは殆どなく、タイ記録としては上杉神社所蔵の燻革素懸威腹巻(謙信所用)の草摺が同じく8段を採用しているくらいである。
リンク先の解説ではHaruta Mitsusadaによって作られたとの推測がなされているが、これは奈良在住の甲冑師・春田光定のことであろう。
日本国内にも彼の銘が入った兜や鎧が結構残っているが、この腹巻具足と形状が近いものとしては、稲葉良通所用の最上胴丸具足が思いつく↓。
ttp://www.pref.gifu.lg.jp/kyoiku-bunka-sports/bunka-geijutsu/bunkazai-zuroku/bunkazai-zuroku/kougeihin/ibigawachou/sukaketiketari.html
良通の具足のほうがやや古手の印象を与えるが、これも兜に「春田光定」銘が入っており、両者の製作時期はさほど離れていたわけではなさそうだ。
どちらも戦場を駆け抜けた実用の具であり、全体からは緊張感あふれるシャープな雰囲気が放たれている。
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