こんな詩があるそうです。

長 篠(川田順)

「馬場信房のおくつきはいづこ」と問うに
城跡の麦刈る農夫ちらと見て答えず麦を刈り急ぐ
再び問えば、刈りやめて、
「美濃守さまの墓ならば教えんものを信房と呼び捨
てしゆえ答えんや」
「美濃守さまのおくつきはいづこ」と問えば汗ふきて
「むこうの辻の地蔵より北へ二丁」とねんごろに
教えられたる道ゆけば樹を目じるしの古き墓
「これは日課の一つ」とて小学児童ら苔を掃く
甲斐の国より攻め入りし、敵将ながら慕われて
寒狭川べに祀らるる墓のあるじの美濃守