「日本に鉄砲を伝えたのは倭寇」説の疑問D

『抗倭図巻』(中華人民共和国国家博物館所蔵)は今まで未公開でしたが、2006年12月発行の『中国国家博物館館蔵文物研究叢書•絵画巻(歴史画)』に収録されています。
この本は、国立国会図書館でも所蔵されておらず(見つかりませんでした?)、17000円位の輸入書なので購入予定はありません。
http://www.chuka-shoten.co.jp/62_181.html
>>438 さんが『鉄砲を持っている』という『抗倭図巻』については確認できませんので、『抗倭図巻』をアップロードなり、その『鉄砲』所持について解説したものがあれば教えてください。
http://www.japanology.cn/japanese/picture/06.html

『倭寇図巻』(東京大学史料編纂所蔵)は、じつは倭寇を描いたものではなく,明代の台湾戦役を描いたものである。ただし,描かれているのは日本人である。
『倭寇図巻』の複製画と考えられている中国側の『抗倭図巻』は,じつは複製ではなく,船・服装・兵器などが相違している。その一方で,ふたつの絵巻には共通点もあるから,これら二点は同一画家によるセットの作品である可能性が高い。
http://human.kanagawa-u.ac.jp/kenkyu/publ/pdf/syoho/no41/4106.pdf

日本の武器兵器ブログのjapaneseweaponsさんや「海の歴史 倭寇」の著者 田中健夫さん、和歌山博物館、
http://blogs.yahoo.co.jp/japaneseweapons/50053735.html
浙江工商大学日本文化研究所の所長の王勇さんは、『倭寇図巻』に『鉄砲が描写されている』としていますが、
http://www.japanology.cn/japanese/picture/11.html
所持しているのは『火槍』であり、『鉄砲』とはまったく異なる『火攻兵器』です。

『倭寇図巻』は公開されているので、図中の『火槍』が確認できます。
http://www.hi.u-tokyo.ac.jp/conference-seminar/science/ez01.html
この図巻は官軍を立派に、賊軍(倭寇=日本人?)への誇張や偏見に満ちた描き方をしているので、私個人的に受け入れがたく、そのまま信ずるわけにはいかないところがあります。
しかし、当時の中国(明)軍軍備を立派・豪華に描いてあっても、『火攻兵器』は『ボール状火器?』らしきものぐらいで、『鉄砲』などの火器は見えません。
拡大した『火槍』を持つ『倭寇(日本人?)』をアルバムにのせました。
http://album.yahoo.co.jp/albums/my/159088/

倭寇=軍器・火砲=鉄炮(東南アジア製)の前提が崩れていれば、「倭寇」説そのものが成り立ちません。
『火縄銃は、日本の独創性によって生まれ、発達した』とする見方・考え方をすれば、東南アジアに少数残存する類似火縄銃の説明がつく。
徳川美術館に収蔵されている「SAM THOME刻銘銃」は、土産用(献上用?)として、日本で製造した鉄砲の一つではなかろうか。