信玄最後の戦「三方ヶ原の戦い」
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0115人間七七四年
2007/05/07(月) 20:40:14ID:vrJei3i4そういって家康は城の中に入っていった。
「なんとなされるぞ、この様は。」
先に帰っていた水野信元がそう詰問するが、家康はそれを無視して、「たいげ」独り言を言って水野の前を通り過ぎた。
「へぼいの」水野が吐きすてるように言うと、家康は立ち止まり、水野を睨むが、
そのまま無言で奥の部屋に入っていき、土まみれ、鎧を着たまま布団にもぐりこんだ。
しかし、眠れないのか、絵師を呼び、椅子に腰掛け、自分の絵を絵師に描かせた。
その間中、家康は歯を食いしばり、ずっと貧乏ゆすりをしていたようだ。
少し気分がおちついたのか、「腹がへった。」と言って湯づけを食べて、服を着替えてそのまま布団に入って寝てしまった。
その間にも、水野信元は大量の松明にを浜松城の窓ごしにかかげ、その窓からわざと大量の鉄砲を突き出し、
武田側から、城に大量の鉄砲があることを誇示した。
武田側の哨戒は、先に水野軍が整列して撤退しているのを見ていて、武田信玄に対して
「徳川本隊は戦わずして、整列して城に帰りました。」と報告した。
この情報と、浜松城から見える大量の鉄砲の銃口の情報の報告を総合的に考えて、
武田信玄は、これが徳川家康の罠と考え、これ以上、浜松城を攻めなかった。
というより、織田信長が以前より言っていたとおり、武田はここで兵力を消耗するつもりはなかった。
予定通りの行動だった。
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