>>144
池部良は、真面目に人生を振り返る特集番組が、NHKで組まれただけでも、たいした
ことではないかな。近年は、そういう番組ってなかなか無い。
ファンとしては物足りないけど。
ワイドショーでの扱いが少なかったのは、没落とは正反対で、悲劇的要素が
あまりにも少ないからでは、と思うが。
文筆家として成功しているし、夫婦は円満だし、誰もが認める紳士で裕福だし。
え、あの人が、実はそんな可哀想な…という要素がない。美しい老後そのもの。
辛くて長い闘病生活とかでもないし。
戦争体験は過酷だったけれど、そこから出てくる言葉は、偏りの無い、冷静なものだし。
ワイドショー的には、円満で理想的すぎる。

でも、日本を代表する文学作品の映画化で、美しく知的な日本人を演じ続けて、
しかも文筆家として成功して、忘れてはならないこととして冷静に戦争を語って、
その上、俳優協会理事として、暴力団との絶縁運動もした。
それで叙勲が無かったことは、ショック。
偏向なく、中道でリベラル、でも「天皇につける薬を発明したい」なんて、
さらっと書いちゃったりもするしな。左の人でも、そこんとこは意外に媚びるのに。