紀子さんは、ひとり暮らしをスタートさせる決意をし、不動産屋に部屋探しにやって来た。
時期が3月だったのが災いし、良さそうな物件はみんな契約済みだったが、なんとか残っていた物件の1つを見せてもらう事にした。
やはり3月に残っているような不人気な物件らしい、日当たりも悪く狭いアパートの106号室
日当たりや狭さなら、ある程度は我慢できる紀子さんだったが、この部屋、かなりのボロだった。
ガラス戸はひび割れ、床には大きな穴が開き、水道の蛇口も壊れていて、ドアには穴が開いていて、とってもガタガタだった。
紀子さんは不動産屋さんに文句を言うと、不動産屋さんはガラスは取り替え、床は張り替え、蛇口も取り替え、ドアの穴もふさいだ。
紀子さんは、それを見て回ったが、「まだ直ってない」と言って、契約しない事にした。
紀子さんは何を見て、そう言ったのだろうか?