http://www.sankei.co.jp/culture/enterme/070614/ent070614000.htm【竹熊健太郎 たけくまメモ出張版】ブログからの盗用疑惑

 サブカル作家でテレビ出演も多いK氏が、最近出版した自著でアマチュアのブログから文章を盗用していたことが発覚し、気がついたブログ主がネット上で告発したことで、多くのブログや掲示板、一部マスコミの間で話題となっている。

便利だが恐ろしい「諸刃の剣」

 K氏とはここ10年ほど没交渉なのだが、一時は交流もあっただけになんとも複雑な気分である。ブログ主の告発とK氏の釈明を読む限り、K氏が剽窃(ひょうせつ)・盗用した疑いは濃厚であり、この件に関して氏を擁護することはできない。
だが事件の影響は少なくなく、メディアに自作を発表する立場にある(私を含めた)多くの文筆家やマスコミ関係者にとっても「他山の石」とすべき問題だと思う。

 K氏の場合も、ごく軽い気持ちでネット検索をかけ、ちょうど求めていた古書の内容を紹介するブログがあったので、つい文章を「拝借」してしまったのだろう。
しかし、これが著作権法で定められた引用の範囲内であれば問題はなかったのだが、出典を示さず、原文の語彙(ごい)や言い回しだけを微妙に変更して、さも自分の文章であるかのように発表していたのはまずかった。
これでは剽窃と言われてもしかたがない。この問題は版元を交渉窓口に現在も続いているが、今のところブログ主は裁判まで起こす意思はないようだ。K氏が誠意ある対応を貫くなら、早晩解決するだろうと思われる。
http://www.sankei.co.jp/culture/enterme/070614/ent070614000.htm


ブログ主は何を要求しているの?