光に向かって p162-163

すると警官は、チャーチルの顔を、じっと見て、
「チャーチル首相が交通違反をするはずはない。察するにニセモノであろう。
さがれ、さがれ」
ギャフンとまいったチャーチル。
「わかった、わかった。わしは、たしかにニセモノだ」
と、車をバックさせたという。

するとアンチは、高森会長の言動を、じっと観察して、
「高森会長が盗作・嘘つきをするはずはない。察するにニセモノであろう。
さがれ、さがれ」
それでも懲りない高森会長。
『「あのようなことだけは絶対にしないと、言い切れない親鸞である」
聖人の告白通り、いかなる振る舞いもする、巨悪をひそませる潜在的残虐者が、
私といえよう。』(なぜ生きるp244)
と、数十年間に及んで業縁が催しただけだという。

その間「盗作・嘘つきは悪だ」の懺悔はなかったが、
「猫よりも恩知らずの畜生は、おまえではないか」の懺悔はあった。

光に向かって p198

噴き出す鮮血を見たとたん、全身の血液が頭にのぼったのがわかった。
「おのれ!!畜生、なにをする」
かわいさあまって憎さ百倍、赤鬼と化した私は、猫の胴と頭をつかんで
絞め殺そうと、両手をかけた。その瞬間、
「猫よりも恩知らずの畜生は、おまえではないか」
の声なき声に驚いて、思わず合掌せずにはおれなかったことがある。