
マスク着用をめぐるイギリスの事情と日本の事情を比べてみると、イギリスの方がより選択肢の幅は広く、自由度が高いと感じる。
イギリスでは自分で「要らない」と判断したら、つけない選択をする人が多い。たとえ義務化されていようとも、自分のために必要ないと判断すれば、悪びれることなく着けない選択ができる。
一方マスク着用派の人たちは「着けることでウイルスに感染しづらくなる(あるいは人に感染させにくくなる)」「政府が推奨しているから」「着けることが社会的に正しいと感じるから」という理由が大半で、「自分だけ違うことをすると、他人にどう見られるかが怖い」と言う人はごく少数なのではないかと思う。
筆者の周りにいるマスクを着けないイギリス人に話を聞くと、「息苦しいから」という答えが大半だ。もっと問い詰めると「面倒くさいから」と言う人もいた。自分にとって意味があると思えないし、むしろ害があると感じるというニュアンス。マスク着用派の人は、明らかにマスクの有効性を信じていること、またマスクそのものへの抵抗が少ないことなどがわかった。
面白いのはその中間の人たちで、周囲を気にしてマスクを着けているが、本当は息苦しいので着けたくない人たちは、鼻を出して着用している人たちがほとんど。いずれにせよ、自分の意思でそれを選んでいると感じる。
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