コバルトは砒(ひ)化鉱、硫化鉱、酸化鉱として岩石圏に広く分布しているが、そのほとんどがニッケル、銅などの他の金属を伴っている。おもなものとしてスマルタイトCoAs2、コバルタイトCoAsS、コバルト華3CoO・As2O5・8H2O、呉須土(ごすど)などがあげられる。一方、ニッケル、銅、鉛などの鉱石で少量のコバルトを含んでいるものも多く、工業資源としてはむしろこのほうが重要である。隕鉄(いんてつ)の中にも遊離状態で平均0.6%程度存在する。また、きわめて微量ではあるが動物の肝臓中にビタミンB12の成分として含まれる。

微量ではあるが動物の肝臓中にビタミンB12の成分として含まれる。
微量ではあるが動物の肝臓中にビタミンB12の成分として含まれる。