中止になっていても…「保険を使えばIOCの損失はなかった」会見で見せたIOC会長の腹の底

東京オリンピックも残りわずかとなった6日、IOC(国際オリンピック委員会)のトーマス・バッハ会長が会見に臨んだ。
閉幕前にIOC会長が大会について語る恒例の会見だ。
そこで垣間見えたのは“ぼったくり男爵”ともやゆされるバッハ会長の本音だった。

(中略)

中止でも…保険を使えばIOCの損失はなかった
さらにバッハ会長は「大会が中止されていたら…」と前置きしてから、これまで公表されてこなかった「保険」について触れた。
バッハ会長:
「もし大会が中止されていたら、誰も日本や東京には来なくなり、
東京にとって、日本にとって、スポンサーにとっても露出の機会は無かっただろう」
バッハ会長:
「一方で(延期決定)当時、IOCにとって(大会の)中止はむしろ簡単な解決策だった。
保険を使えばIOCの損失はなかったから。
しかし、我々は保険を使わず、アスリートのために大会を実現すべく、銀行からの支援を受けてさらに8億ドル(約880億円)の追加投資をした」
たしかにIOCは延期に伴い約880億円を拠出している。
しかし、そのほとんどは各国・地域のオリンピック委員会(NOC)を支援するもので、日本に対して拠出したものではない。

延期してでも開催したのは“日本のため”
バッハ会長:
「日本と東京が世界中の人々に対して、日本人がどのように頑張ってきて、この状況でも頑張っているのか示してもらおうと思った」
大会延期に伴い、日本側は2940億円の追加経費を負担し、開催経費は1兆6440億円に上る。
無観客開催により約900億円のチケット収入のほとんどを失い、大会予算の赤字は必至だ。
アメリカのワシントン・ポスト紙のコラムで“ぼったくり男爵”とやゆされたバッハ会長。
延期してでも開催したのは“日本のため”と強調して、7日に行われる女子マラソンの会場、札幌市に向かった。

https://www.fnn.jp/articles/CX/220864