日本側も後に引けない事情がある。開催が決定した13年以降、8年間で投じた金額は大会経費に限っても1兆6440億円。会場整備費や人件費として大半は支出済みだ。都議会関係者は「『五輪を中止して予算をコロナ対策に』と言われても、使ってしまった1兆円を取り返すことはできないのだから」と語る。さらに東京五輪の半年後には北京冬季五輪が控える。ある政界関係者は「東京が中止で、北京が五輪開催となれば、日本の国際的な地位が下がり、精神的な痛手は大きい」と指摘する。