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架空サービス名目で2.8億円 ネット事業者2人、詐欺容疑
架空のサービス料金の名目で顧客の口座から現金を引き出したとして、警視庁はインターネット接続事業をしていた「あくびコミュニケーションズ」(東京都渋谷区、破産手続き中)の創業者ら2人を電子計算機使用詐欺の疑いで逮捕し、15日発表した。認否は明らかにしていない。
逮捕されたのは、創業者の遠山和久(39)=東京都目黒区=と、社長の佐竹雅哉(43)=埼玉県越谷市=の両容疑者。捜査2課によると、2人は2019年12月、同社のネット通信サービスの利用者延べ約9千人の口座から、計約2億8500万円を不正に引き出した疑いがある。本来の料金は計1千万円以下で、大半が架空のサービスだったという。同じ時期にクレジットカード払いで契約していた顧客延べ約3千人からも同様に詐取した疑いがあり、被害額は計約5億円に上る可能性があるとみている。同課は、2人が引き出した金を会社の運転資金などに充てたとみて、裏付け捜査を進めている。
同社は15年3月に設立され、ネットの接続事業や電力の小売りなどを手掛けていたが、不適切な勧誘や料金の過大請求をしたとして、17年6月以降、総務省や消費者庁から業務改善命令や業務停止命令などの行政処分を相次いで受けた。経営の悪化で、20年2月には東京地裁から破産手続き開始の決定を受けた。