
この「2020年からの警鐘」の本文を読み進めていくと、脱力感とか無力感というのは、戦慄に変わりました。
まず強く感じられるのは、23年前に当時の人々が想像した「暗い未来予測」がそのまま実現しているということです。
これはもう恐怖としか言いようがありません。まるで、日経新聞が23年前にかけた「呪い」に日本経済がそのまま縛られてしまっているかのようです。
冒頭いきなり「大手都銀の倒産」可能性が語られますが、これは96年から97年の話でこれは長信銀の金融危機としてすぐに現実のものとなります。
その先の様々な記述、
無縁墓 リスク取れない日本マネー 低賃金のアニメ業界 間違う裁判官 幸福感の低い子供 研究鎖国 なくなる退職金 孤立する人々 英国病より重い
といった指摘は、2020年の現在、全てその通りとなり、そして改革は先送られそのまま問題が悪化しているだけです。
正に、この本によってかけられた「呪い」がその後ずっと日本を縛っているとしか言いようがありません。
恐ろしいのは、結論の部分です。
この「2020年の警鐘〜日本が消える」が指摘している「日本が消える」ということの意味ですが、成長率が低下して国際経済における日本の存在感が「かすむ」ことが最大の問題で、それを「日本が消える」という表現で警告しているわけです。
具体的には、この本の236ページから237ページでは、1990年には世界のGDP総額に占める日本の割合が13.9%であったのが、このまま「構造改革が進まずに現状を放置」した場合には、2020年には9.6%になってしまう。
このことを「日本が消える」と表現して危機感を訴えているのです。
では、現実はどうなったのかというと、現状は「5.9%」です。
つまり、1997年の段階では、2020年には9.6%になって「日本が消える」から大変だと言ってたわけですが、現実には2019年には「5.9%」になってきているわけです。
更に人口減と競争力喪失により2050年には2%になるという予測も出ています。
https://topics.smt.docomo.ne.jp/article/mag2/nation/mag2-435058