
介護現場、とり残されるペットたち 「床一面にフン尿」
「認知症でペットの世話ができなくなり、フンや尿で清潔さを保てない」
「家族同然のペットがいるからと入院を拒む」――。
介護保険のサービス提供で、ペットの扱いにケアマネジャーらが苦慮する事態が広がっている。
介護保険サービスでペットの世話をすることは認められていない。
だが高齢者と動物の福祉は切り離せなくなっており、愛護団体などと連携する試みも動き出している。
昨年8月、川崎市。「高齢者とペット」をテーマにした介護関係者の勉強会で、
約20人のケアマネジャーやヘルパーが現場の悩みを報告した。
「身寄りのない高齢者が骨折で入院したが、犬の世話のため、まだ動けないのに無理をして退院した」
「床一面に猫のフンや尿があり、ヘルパーが全身をノミにさされた」
呼びかけたのは「かしまだ地域包括支援センター」(同市幸区)の深井純子所長だ。
深井さんは昨年、地域のケアマネ120人にアンケートを実施した。
介護保険利用者への支援上、ペットのことで困った経験があるかを尋ねたところ、
回答のあった59人の7割を超す43人が「ある」と答えた。
自由記述欄には「訪問時に犬にかみつかれた」「世話ができないからやってくれと頼まれた」
「施設入居を勧めたが『猫と離れたくないから嫌だ』と拒否された」
「里親を探してほしいと言われた」など、様々な困りごとが記されていた(表参照)。
https://www.asahi.com/articles/ASM1N51NQM1NUCLV00D.html
https://www.asahicom.jp/articles/images/AS20190120001237_comm.jpg