
ドイツ銀行によると、中国の主要アプリケーション利用時間ではウィーチャットを軸とするテンセントが約3分の2を占めるが、オンライン広告収入での同社のシェアは12%にすぎない。
その理由の1つは、中国の電子商取引最大手、 阿里巴巴集団 (アリババグループ)が広告需要の大部分を取り込んでいるからだ。
それでもテンセントは、ウィーチャットの広範なユーザー層をより良く生かせる可能性がある。ユーザー1人当たりの広告収入は7-9月期に1.70ドルだったが、
フェイスブックは北米で20.70ドルに達し、人口当たり国内総生産(GDP)の違いを加味したとしても大きく引き離している。
問題は、こうした潜在性がどの程度株価に織り込まれているかだ。テンセントの予想PER(株価収益率)は現在43倍。
時価総額はフェイスブックを追い越したが、過去12カ月間の純利益はフェイスブックを40%下回っている。
アナリストらは、テンセントの売上高と利益が2020年までに2倍になるとの見方から同社株に強気の姿勢を示している。
S&Pグローバル・マーケット・インテリジェンスは、広告が収益の主なけん引役になるとみている。
ゴールドマン・サックスは向こう2年間について、テンセントのゲーム収入が年間21%、オンライン広告収入が同40%のペースで増加するとみている。
テンセントは目下、モバイルゲームによって繁栄を享受している。だが膨らみ続ける期待に応えるには、広告が秘める可能性を引き出していかねばならない。