ベジータがニヤリと不敵な笑みを浮かべ、ショパンのOp10-4を弾き始めた。
じっと凝視するセル。
しかしどこか落ち着き払っている。
ベジータはガンガン音を鳴らし、1分50秒で弾き切った。
ベジータ「どうした?俺の圧倒的な速度に腰を抜かしたか?」
セルの口元にうす笑いのかげが見えた。
セル「忘れたのかベジータァ?俺にはリヒテルの才能が入っていることを。」
ベジータ「は!!!!!・・・・・・・・」
凍りつくベジータ。
セルは無言のままピアノへと歩み寄り、椅子に座った。
次の瞬間、ベジータは目を疑った。
セルは凄まじい速度で10-4を弾き始めた。
まさに凄まじくだ。
ベジータが驚いている間にすでに曲を弾き切った。
ベジータ「い、い、、、1分、、32秒だとぉぉぉぉぉっ・・・・!!!!」
セル「どうした?笑えよ、ベジータ。」
動けないベジータ。
ベジータはやけくそになり、鍵盤を両手で交互に連打しまくる。
ベジータ「ウーララララララララララララララララララララララララララララ!!!!!!!」
ベジータ「ダァヤダァヤダァヤダダダダダダダダダダダダダダダダダダ!!!!!!!」
辺り一帯砂煙を巻き上げる。
しかしその砂煙の中から、直立不動で微動だにしていないセルのシルエットが浮かび上がった。
ベジータ「なっっ・・!!!!!!!!!!!」
次の瞬間、セルはベジータを上回る速度で、両手交互に、しかもオクターブで連打を始めた。
ベジータ「な・なんて速度だ。かなうわけが、、ない。。」
セル「ハハハハ!この私には、シフラの細胞が入っているのだぞ!!ハハハハハハ!!」
完全に敗北したベジータ。

かくして一週間後に「セルコンクール」の開催が決まったのだった。
そこへ大して弾けもしないくせに最強を自称する脳内ピアニストのミスター・サタンが出場するのは、また、別の話。