自宅に1500万円のモニタースピーカー!? 音楽プロデューサーがPMCを必要とする理由 : 藤本健の“DTMステーション”
http://www.dtmstation.com/archives/51984002.html
−−井上さんは、もともとジャニーズ事務所で嵐やKAT-TUNなどのアイドル・グループの音楽制作に携わってこられたんですよね?
井上:バークリー音楽大学卒業後、ドラムを叩いていたのですが、それではなかなか生活も大変で、ジャニーズ事務所に拾ってもらい、
10年ほどディレクター、プロデューサーとして携わってきました。ここでは自分の音楽的趣味ではなく、ヒットするためにはどうすればいいか、
マジョリティーに支持されるためには何をしたらいいかを徹底的に追求してきました。とてもやりがいのある面白い仕事でしたね。

−−そのモニタリングにPMCのこの大きいスピーカーを使うわけですね。でも、住宅の1階ですから、爆音を鳴らすわけではないですよね!?
井上:そうですね。決して爆音を出す目的のものではなく、PMCでしか出せない音域をモニタリングするという意味で、重要な役割を担っています。
もっともこのPMCのスピーカー、いつかは手元に置いて聴いてみたいと憧れていたんですよ。スティーヴィー・ワンダー、プリンス、ブライアン・メイ……
名だたるミュージシャンがこれを使っているというので、彼らがどんな音を聴いているのか、自分が聴いている音と違うのか、興味もあったんですよ。
外車を買うより、まずこのスピーカーだろう、って(笑)。

−−なるほど、井上さんのSilky Voiceというのは、そこから来ているんですね。ところで、ここのスタジオにはPMCだけでなく、JBLのモニタースピーカーもありますよね。これはどういう位置づけなのですか?
井上:やはり音をいろいろな面で確認していく上で、ニアフィールドも必要です。当初は10Mを置いていたのですが、
やはり10Mだと最近のヒットを作るにはローが足りないため、PMCと行ったり来たりしながら音を聴き比べにくかったんです。
KRKやGENELECなど他社のも含めていろいろと比較した結果、このJBLのLSR708iがよかったんですよ。
これは位相が素晴らしくハッキリとして、センターがしっかりとしている。音に密度があるという面でも、LSR708iはいいモニターですね。