>>883-884
手許のカタログやら現物を確認して見たのですが、
ARのMOLは3代目('84-'88)までは+6.0dB、4代目以降('89-)が+6.5dBでした。
AR-Xは初代('85)からずっと+6.0dBですので、当初は「上位機と同等の中低域」
だったのが、そのうちとうとう追い越してしまったようですね。

そのAR、3代目から4代目への移行時に実質的なフルモデルチェンジがあり、
磁性体がNPフェリックからノンポア・アビリンへ変更されています。
#無空孔酸化鉄系なのは同じですが、それにコバルトを被着しているので"アビリン"。
このためか、出力が全体的にアップしています。バイアスノイズは2代目AR-Xとは同等。
それでも、SOLは全く敵わず、2dBもの大差を付けられているので差引1.5dB負け。
参考までに、'89年版総合カタログのノーマルポジションのスペックを。
TDKの場合、スペックでは下克上が結構多く、各テープの個性が良く解ります。

              AR-X(2nd) AR(4th) AD-X(2nd) AD(K型) AE(2nd)
・MOL(315Hz)      +6.0     +6.5    +6.0     +5.0    +3.0
・SOL(10kHz)      -4.0     -6.0    -4.5     -5.0    -8.0
・バイアスノイズ(dB)  -56.0    -56.0    -55.5     -56.5   -55.0
・感度(315Hz)      +1.3     +1.0    +0.8     +0.5    -0.5
・感度(10kHz)      +3.0     +1.0    +2.3     +2.0    -0.3

・保磁力(Oe)      390      380     380     380    380
・最大残留
 磁束密度(gauss)  1,750     1,800    1,750    1,650   1,450
・角形比/RS      0.88     0.86    0.86     0.84    0.81