あるとこにホームレスがいたんだ
そのホームレスは飲食店のゴミを漁って毎日の食料を得ていたんだ
一応、マナーはわきまえていて、漁ったゴミを散らかしたりせず、
しっかりと片づけたり、店への感謝の気持ちとして、ゴミ箱の周りを清掃したりしてたんだ
そんな彼の行動に店の人も気づいていて、黙認してくれていたんだ

しばらくすると、景気が悪くなり、ホームレスの数が増えてきた
新米のホームレスたちは、なかなか食べ物にありつけなくて腹を空かしていた

彼は何年もこの生活をしているので、
食べ残しが多いゴミ捨て場を把握していて、自分が食うには困らなかった

でも、腹を空かしている新人ホームレスたちをみて思った。
「そうだ、みんなのために、食べ物にありつけるゴミ捨て場をマップにして配ればよいじゃないか」
これは彼の純粋な好意ではあったが、他のホームレスに自慢をしたいという多少の下心もあった

そのマップが配られると、そのエリアはあっという間にホームレスたちの人気のエリアと化した
すると、これまでは彼一人だと後かたずけや掃除をしっかりしていたのが、散らかしたまま立ち去る不届き者も現れ始めた

店の方も、彼一人の時は黙認して、内心では応援していたのが、
見ず知らずの多数のホームレスが押し掛け、ゴミを漁って汚すようになると
堪忍袋の緒が切れ対策を講じるようになった

そう、ゴミ漁りの一律禁止である

世の中には、グレーゾーンが存在する。
グレーゾーンは、多くの場合、グレーのままの方が良い