栗城さん訃報、ネットの「アンチ」達も「泣いた」 
8年前から「叩き続けた」奇妙な縁

登山家の栗城史多(くりき・のぶかず)さんの訃報は、
彼の活動を応援してきたファンだけではなく、
インターネット上の「アンチ」達にも大きな衝撃を与えた。

エベレスト下山中に遭難死したと伝えられた2018年5月21日正午過ぎ。
「5ちゃんねる」(2ちゃんねる)で8年以上も続くアンチスレの雰囲気は一変した。
批判や揶揄の声で溢れていた生前のスレとは打って変わり、
悲しみを吐露するユーザーが続出したのだ。

アンチスレ住民も「泣いた」
だが、その約2時間後。あるユーザーが、栗城さんの死を最も早く伝えた現地紙
「ヒマラヤタイムズ」の記事を紹介すると、スレの住民たちの反応は一変した。
「えっ‥」「マジなの?」「どうすんだよこれ...」――。

このように、突然の訃報にショックを受けた様子の住民たち。
彼の活動を批判・揶揄するアンチのユーザーが集うスレにもかかわらず、
栗城さんへの追悼の言葉が相次いで寄せられたのだ。

「叩けない淋しさを知った。ありがとう栗城」
「こんなに早く、突然に終わりが来るとは思わなかった」
「何も死ぬなよなぁ 泣いた人も何人かいたし俺もさっき泣いた」
「無事に下山して叩かれてこその栗城だろうが 死んだら元も子もないだろ...」

結果として、この日の栗城さんのアンチスレには、
悲しみのコメントや過去のエピソードを振り返る書き込みなど、
あわせて3000件以上ものレスが寄せられた。
また、栗城さんの訃報があった直後に立ったスレのタイトルには、
「いままでありがとう」の言葉も添えられていた。