泣けた!

そんな状況の中下山。稜線からの急斜面で足がすくんだようだ。
今日の斜面はやや凍結気味の堅い雪。滑るとやばいなと思いながら下りる。
アイゼンの使い方は教えていたが恐怖感のほうが強かったようだ。
悲鳴と共に目の前を滑落していった。ガスで状況が分からないまま、滑落した場所に急ぐ。
「大丈夫か!」の問いかけに「大丈夫」の声はするが、手袋やサングラスなどが散乱しそれを拾いながら下りる。

状況:現場に到着すると、親切な方がお2人息子の様子を見てくれている。「多分大丈夫でしょう。軽い打撲だと思います。
でも精神的なショックが大きいですね。」
そうだろう、100m近く滑落したのだから。
擦り傷程度で済んだのは奇跡に近い。
茫然としている息子に、年配の方が「安全な所までおじさんがバックを持って行ってあげるから、
一緒に下りよう」と言葉を掛けて頂き、何とか下山。
あの急斜面をバックを2つ担いで下りる技術はないので、ご厚意に甘てしまった。
そんな者が初心者を連れて来ちゃいけない。情けないやら悔しいやら。
それにしても、6合目まで荷物を持って頂き同行して頂いた方には深謝。深謝。
その方が別れ際に息子に言った言葉は「また、山においでよ。」
お名前を聞きそびれてしまったが、本当にありがとうございました。

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