●裏金はどこに隠してあるのだろう

県の裏金問題:土木事務所の裏金未報告 根深い隠ぺい、なお /岐阜
9月1日12時0分配信 毎日新聞

 ◇再生プログラム、信頼性に不安も
 根深い県の隠ぺい体質が、再び露呈した。31日発覚した県多治見土木事務所の前経理担当の
男性職員による裏金の未報告問題。県が実施する再生プログラムの前提となる職員への信頼が
裏切られ、冨田成輝・県総務部長は会見で「職員の誰一人、情報を寄せてくれなかったことが
非常に残念。県民の信頼を取り戻すためにまじめに取り組む多くの職員にとってもショッキングな
話だろう」と無念さをにじませた。
 この職員は、タクシー会社に裏金が約17万円預けてあるのに、県の調査に対して「裏金は残って
いない」と虚偽報告していた。タクシー会社から毎月、事務所に送られてきた裏金の存在を示す
請求書は破り捨てていたという。
 また、同事務所の95年度以降の16人の歴代経理担当者のうち、この職員を除く4人もこの
請求書の存在を知っていたが、だれも県に報告していなかった。
 県は裏金問題の教訓として昨年9月、再発防止策などをまとめた「県政再生プログラム」を策定し、
徹底した会計書類の情報公開や監査制度の強化、職員の倫理意識の向上をうたっている。全職員の
約6割という大量の職員も処分し、総額19億1775万円も完済。うみは出し切ったはずだったが、
今回の問題が発覚したことで、裏金を生んだ体質が改善されていないことが明らかになった。【中村かさね】

9月1日朝刊 最終更新:9月1日12時0分