戦後の長い怠慢もあって、国民の大多数が納得のいくような皇室論はまだ出てきていないように思う。
まだまだ議論を続ける必要がある。
男系が正しいのか女系にも理があるのか、これは難しい問題だと思う。
私はハッキリ言って、現在出てきている女系論はもちろんのこと、男系論にも納得はしていない。
いや、一生懸命考えてくれている識者を愚弄するつもりは毛頭無いし、
自分ならもっと立派な皇室論を展開できると思い上がっているわけでもない。
本音を言えば心情的には圧倒的に男系論を支持したい気持ちです。おそらくご皇室が男系を支持されているのですから。
ただ、そういう私でさえ今の男系論ではどうしても納得できない部分が残る。
私のような人間ならば「たとえ納得できなくてもご皇室の御心に従おう」と思うことも出来るが
世の大多数はそんなに物分りは良くない。やはり男系論もまだまだ詰めていく必要はある。
女系論など論外で、綻びだらけ、あれでは国民の多くは納得しない。
このような不完全な議論で拙速に皇室典範を改正していいはずはない。必ずや将来に禍根を残す。
だいいち、皇室の方々を議論に加えることなく深みのある皇室論など展開できるはずがない。
皇族の何たるかも把握していない素人が集まって議論したとて、それぞれの勝手な皇室イメージの押し付けにしかならない。
それは女系派、男系派、いずれにも言えることだ。当事者の意見も聞かずして実のある議論など成り立たない。
この議論、緊急性は無いのだから、仕切りなおしてじっくり議論するのが現時点では最も正しい方法だろう。
男系にせよ女系にせよ、拙速な議論は絶対に避けなければならない。

あと、「天皇陛下の思し召し」など持ち出すのは全くの論外。
天皇陛下が皇族の意向を無視して皇室の歴史の大転換ともなることを決定するなどということがあっていいはずがない。
従来、日本の天皇はそのように独裁的ではないし、民主制を国是とする現代なら尚更のことだ。
皇族が「そんな話は聞いたことがない」と言っているにもかかわらず、いつまでも「陛下の思し召し」など持ち出すタワケは
天皇陛下を専制君主であるかのように見せたいのであろうか?それこそ時代錯誤そのものだということに気づかないのか?