やがて私たちは4Fに到着し、松平さんの玄関の前までやってきました。
ピンポーンとチャイムを押すと、ほいほい〜と人の良さそうなオッサン声が聞こえました。
松平さんです。本を返しにきた事を告げ、私はトイレを借りるていで部屋に上がりました。
恐怖でオシッコなど出ないかと思いましたが、いざトイレに入ると、すんなり放尿出来て、30秒くらいで出ました。
彼女と松平さんが談笑しています。やがて私たちは松平さんに別れを告げ、玄関を出ました。
とりあえず、無言でエレベーターまで歩きます。箱に乗った瞬間、私は祈るような思いで彼女に聞きました。
「今ドコ!!」
彼女はバツが悪そうな笑みを浮かべて、「松平ハウス!!」
と答えました。流石に自分可愛さには勝てません。私はホッとしてその日は自分の家路につきました。