∧∧山にまつわる怖い・不思議な話Part71∧∧
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0697雷鳥一号 ◆jgxp0RiZOM
2013/11/13(水) 17:35:34.08ID:VC/zp4PI0「野生動物ってのは大概、すぐに包帯なんぞ毟り取って外してしまうんだがな。
しかしアイツ、何を思ったのか包帯を外さなかったらしい。
それから毎年、手当てした頃になるとお返しに来るんだ」
そう言って玄関を開け放つ。
扉のすぐ外に、さほど多くはないが、山の果物や茸が丁寧に置かれていた。
へえ、猿の恩返しか。
そう和やかな気持ちになったが、一点だけ引っ掛かる。
包帯ははっきりと見えたのに、その中身の猿の姿は何故見えなかったのか?
「随分と前のことだって言ったろ。
まず、あの猿介は当の昔に死んでる筈だ。
あの時分でかなり老けてたからな。
お前が見たのは、真っ当なモノじゃないんだよ」
主はしばらく森の奥を見つめていた。
「もう成仏した方がアイツのためだと思うんだがなぁ」
寂しそうにそう言いながら。
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