いや、よーく見るといた、いたのよ、人が。迷彩服上下着たオヤジが樹の陰に倒れてた。
オヤジは具合悪いを通り越して、目はとんでるし話しかけてもまともに返事しない。

近くに鳥篭と袋があったから、このオヤジが密猟者なのは間違いなかった。
正直言うと一瞬迷ったよ、助けるかどうか。

でも、やっぱ人だし…野鳥助けて、人を助けなかったら本末転倒だよなって思った。
携帯通じるとこまでバイクで走って、救急隊呼んだけど…
結局そのオヤジは助からなかった。

ことがことだから警察が現場に来て(俺は案内)、後で事情聴取された。司法解剖されたオヤジの死因はアナフィラキシーショックで、ハチに刺されたんじゃないかってことだった。

…って、これで終わったら「野鳥の祟り?」ってな話かもしれないけど、後日談が…

オヤジの嫁と息子とお知り合いから訪問を受けて、警察を呼ぶはめに…

「お前が鳥のこと(密猟)チクったから、警察からガサかけられたじゃねーか、あぁ!?」だって…

最初は「お礼がしたい」ということだったんですけど「お礼参り」だったわけで…
やっぱり関わらないで放置した方がよかったわ。