食事をとりくつろいでいると母が真面目な顔で話しだした
母「これ祖父さんから預かってた物なの」
俺「祖父さん?親父ならここに居るだろ?」
母「T蔵祖父さんよ」
俺「T蔵祖父さんなら3年前に亡くなっているだろ?」
T蔵祖父さんは母方の祖父さんで、父方の祖父さんは俺が生まれる前に既に亡くなっていた
母「T蔵祖父さん元気だった頃に渡されたの、とにかくこれ貰ってちょうだい」
と話し書類袋のような物を渡された、袋には初曾孫が生まれる日に開けろと祖父さんの字で書かれていた
俺「えっなんなのこれ?」
母「中も見て」
母に急かされて中を開ける更にビックリした
旧一万円札(聖徳太子)が30枚入った祝儀袋とこちらも祖父さんの字で
「これでNちゃんの雛人形買いなさい」
と記入されたメモ紙が入っていた
俺「????」
母「実はね、母さん子供の時結構貧乏だったの、小学校の時雛人形家に無くて、欲しい欲しいと
 祖父さんと祖母さん困らせたの、母さんが中学に上がる頃には祖父さんの仕事うまく行くようになり
 雛人形買ってやるかって祖父さんに言われたけど
 もう今は欲しくない、私が女の子産んだら買ってと御願いしたの」
母は結婚後俺も含め男だけを産み祖父さんは雛人形を買う機会が無かった
母「多分貴方達(俺の兄弟)が生まれる前に毎回雛人形代祖母さんと用意してくれたのね
 だからお札が旧札なのはその時から取っておいたものだと思うの」
その祖母さんも5年前に亡くなっている
俺「....それで母さん産めなかった女の子を俺に託された訳か
 .....しかしなんで祖父さんが亡くなった後に生まてくる初曾孫の性別と愛称まで解ったのだろう?」
 「俺と●●(嫁)知り合ったのは祖父さん亡くなった後だし
  結婚したのは1年前で●●の考えなど祖父さん解らないどろうし」
母「祖父さんの競馬大好きだったから、こういう予想得意だったんじゃない?」
俺「????」
父「(話の流れを読めず終始唖然)....」
T蔵祖父さんから祝儀は有りがたく貰い、それ以降この謎について母に聞くことは無かった