6年くらい前だったかな。
フォークの資格持ってるんで古い倉庫で半年くらいバイトしたんだ。

倉庫の二階は日が当たらないように真っ暗なんだけど、どうも、
二階の奥に行くたびに大勢の視線を感じていつも怖かった。



大勢っつうても〜見えないから分からないけど三人〜七人くらいな感じかなぁ。
たぶん、墓場だった予感がする。もうね、鳥肌バンバン立てながら毎日仕事してた。

真っ暗でフォークのライトの先に照らされるものは、ホコリの舞だけ。
壁とか天井とか、品物の奥とか、すべてが怖かった。

見えててもおかしくなかったと思うけど、
たぶん、霊が見える人なら間違いなく見えると思う。



毎日毎日、視線を感じる真っ暗な倉庫の中で、フォークのライトだけで仕事してて怖くて、
特別にラジカセ置かしてもらったくらい。責任者もそういうのは感じてたみたい。

先に仕事してたオジサンは、早朝、一階の奥の扉を開けたら
白い人影が横切ったのを見たらしい。とにかく古くて怖い倉庫だった。



少し離れた本社の倉庫でも先輩は何か見たって言ってた。

一緒にやってたオジサいわく、「倉庫なんてだいたい何かあった場所」だってさ。