一昨年の真冬の事だが、狸小路を歩いていたら、自分の進行方向の彼方から、

「ズズー、ズズー」
と何かを引き摺るような音が聞こえてきた。
特に気にはしてなかったんだけど、それの正体を知ってビックリした。

前述した通り当時は「真冬」
なんと浴衣の生地程の厚さしかない着物の様なものを着た、全身が真っ白の女が歩いて来た。
手には紐が握られており、その先を目で辿ると、結構な大きさの、ずだ袋仕様のゴザが引き摺られていた。
聞こえていた「何かを引き摺るような音」は明らかにそれだった。


目撃者は他にもいたはずなので誰か知らないかなぁ。