その日もそうしたルートをとり、頂上でお弁当を開け
土産物屋をひやかした後(今もあのババはいるのかしら?)
そろそろ降りようか、のどかな冬の一日です。

今と丁度同じ季節です。
二月に入って間もない冬枯れた山道を彼女は下っていきます。
しばらくは湖の見える見晴らしのいい、ゆるやかな下り坂を道なりに。
やがて木立の生い茂る少し暗い道に入ります。
二十分くらい歩きましょうか、そこを抜けると再び切り通しの明るい道に出ます。

途中、前の林の中であれ、こんな所にこんな道があったかしら。
確かにその人そう思ったそうです。
でも余り深くは考えずに勘と経験だけを頼りに下へ下へと下っていきました。

やがていつもの見晴らしの良い切り通しに出ます。
すぐ下に相模湖の湖面がキラキラと光っています。
ここまでは予定どうりです。