〜廃墟編〜
大原に抜ける国道からそれた府道を上ルと何十年か前に一家心中のあった平屋の廃墟が現れる。今は閉鎖されて見る事も入る事もできない。
当時友人ら4人で深夜に忍び込む。友人の1人は肝試しを楽しんでるかの様…心強い奴だ。
窓からしか侵入出来そうにないなぁ…
一人ずつ中へと足を踏み入れる…
最初の部屋から奥へ続く廊下…
床は所々腐り果てて穴が…
もう一つ部屋を発見…
先頭を歩く一番強気な奴が部屋を覗く。
「あっ!」
何かを発見した様だ…
押入の中に千羽鶴が…
全員がそれを確認した直後…
一番強気だったハズの奴が「出ろ!戻れ!」と焦って引き返そうとする…
全員が直感的にヤバいと感じ、我を取り乱す…
早く先に窓から出たい!その一心で4人はモミクチャとなる…
俺は3番目に脱出、と窓に足を架けた時…
ウフフフフ…
聞こえた!ハッキリと…
この世でない者、女の笑い声が…
一瞬背筋が凍ったー
焦って逃げる俺たちをあざ笑うかの様に…
気がつけば4人は外で呆然としていた。
帰りの車中、強気だった奴が沈黙の中、重い口を開く…
「あの時、男の声で「帰れ!」って言われた…」
もう2人の奴は「女の子二人が押入の中にいた…」と
少なくともこの家には幼い姉妹と両親が暮らしていたのは俺達の事実と言えよう。
この家で何があったのか…
その真実を知ってはいけないのかも知れない。