海のお話

親戚のOとJが海水浴に行った時に、人が多い所を避けてどんどん海岸沿いに泳いでいったら、岩肌を削り取ったような洞窟を見つけた
そこはちょうどタイトプールのようになっていて水深も腰ぐらいまで、しかも水中メガネで覗いたら魚も随分いると言う事で
二人は持ってきたヤス(銛みたいなもの)で魚突きを始めたんだと

それで結構な時間その洞窟の中に居座ってたんだけど、ある時洞窟の中で「ぽっ」という泡の弾ける様な音がした
二人は最初「お前が屁をこいたんじゃないか?」などと冗談めかしてたけど、その内に「ぽっ ぽっ ぽっ ぽっ」と音が連続するようになってきた
流石に奇妙に思った二人が「水中で何か起きてるんじゃないか?」と考えて、水中メガネで水中を覗いてみると
なぜか体の一部が弾けたようになってる魚の死体がそこかしこに沈んでて、それを見た二人は大慌てでその洞窟を飛び出した

というのが、昔お盆に親戚一同が集合した際にOが話してくれた「怖い話」
その時Oは「今考えれば魚の死体が浮いてこなかったのもおかしいんだよな、普通浮くだろ」とも言ってたよ
あと「あの時ノロノロしてたら俺らも吹っ飛んで死んでたのかなあ」とも